2025.10.01

CARS

登場からもう35年!? カウンタックの後継車にしてランボルギーニのかつての旗艦「ディアブロ」の足跡を辿る

ランボルギーニ・ディアブロが生誕35周年を迎えた!

全ての画像を見る
ランボルギーニ・ディアブロが登場して、今年で35周年となる。当時としては市販車最速レベルとなる時速325キロの壁を破った、新世代ランボルギーニの嚆矢となったクルマだ。

プロトタイプはあのガンディーニが描く


ディアブロの開発は1985年に「プロジェクト132」としてスタート。伊サンタアガタ・ボロネーゼの象徴的モデルであるカウンタックの後継車種であり、マルチェロ・ガンディーニがデザインを手がけた最初のプロトタイプは、カウンタックのようにシャープで先進的だった。

advertisement




しかし、1987年に親会社となったクライスラーにより修正が施された。

カウンタックの特徴的なシザース・ドアは継承されたが、筋肉質なプロポーションや印象的なリア周りを得たディアブロは、スポーティなだけでなく、快適性も追求したキャビンを与えられた。



そして1990年にモナコ公国で、モンテカルロ・ラリーの開幕に合わせて披露される。なお、その車名は1869年に、有名なマタドールのエル・チコロと長時間にわたる死闘を繰り広げた闘牛に由来する。



車体中央に搭載された5.7リットルV12の最高出力/最大トルクは492ps/580Nmを発生し、0-100km/h加速は4.5秒、ナルド・サーキットでの最高速テストでは337km/hの記録を樹立した。

チューブラー・フレームにまとうボディは、アルミやスチールのほか、量産車初のカーボン複合材も使用。洗練されたサスペンションは、かつてない運動性能をもたらした。



いっぽうで、調整可能なシートやパワー・ウインドウ、アルパインのオーディオといった快適装備も備えている。



1993年には、ランボルギーニのスーパー・スポーツでははじめての4WDを採用した「VT」がデビュー。この年は創立30周年にあたり、それを記念した「SE30」は525ps、吸気系などに手を加えた「イオタ」仕様は596psに達した。





1995年には、「VTロードスター」を追加。ワンオフのミウラ・ロードスターを除けば、V12ランボルギーニ初のオープン・モデルだった。



1998年、アウディ傘下に入ると、ディアブロには大幅な手直しが施される。エンジンは6リットルに拡大され、ABSを装備。リトラクタブルから固定式に変更されたヘッドライトが、日産フェアレディZ(Z32)から流用されたことはよく知られている。既存の「SV」が改修されたほか、1999年にはレース仕様をロード・カーに仕立て直した、575psの「GT」も少数限定で生産され、最高速は338km/hを誇った。

2000年には、ルク・ドンカーヴォルケがリデザインを担当した「VT 6.0」が、翌年には最終仕様の「6.0 SE」が発表される。これら最終フェーズのモデルは4WDのみの設定で、これがその後のサンタアガタが世に送り出すV12モデル、ムルシエラゴやアヴェンタドールへと続くスタンダードとなった。



ランボルギーニが公式にレースへ参加するようになったのも、ディアブロからだった。1996年にはワンメイクのスーパー・スポーツ・トロフィ用に「SV-R」を32台製造したのをはじめ、655psのストラダーレ仕様も作られた「GT1」や、「GT」のレース仕様となる「GT-R」などを製作。





日本では、JGTCでの勇姿が印象的だった。



2001年までに2903台が生産されたディアブロは、4WDスーパー・スポーツという新たな分野を切り拓き、現代のランボルギーニの礎となったモデルである。



幼い頃からのカウンタック崇拝者としては、新車当時には丸みを帯びたスタイリングに抵抗を感じたものだが、サンタアガタの歴史においては、中興の祖と言ってもいい存在だ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement