ライトウェイトスポーツカーの代表モデルともいえるマツダ・ロードスターは、1989年にユーノス・ロードスター(初代/NA)として発売された。その後、2代目(NB)、3代目(NC)、4代目(ND)とモデルチェンジし、現在(2025年時点)もライトウェイトスポーツカーを代表するモデルとして販売を継続している。今回は、日本国内のみならず、世界中のクルマ好きからも愛されているロードスターの歴代モデルの特徴や主なスペックをまとめて紹介する。
1989年9月に発売された初代(NA)ロードスター
初代(NA)ロードスターは、1960年代に欧州で流行したライトウェイトスポーツカーを蘇らせたモデルとして登場した。

日本ではユーノスチャネルの第1弾モデル「ユーノス・ロードスター」として登場した。
ロードスターの開発キーワードは「人馬一体」。操る楽しさを徹底的に追求していることが特徴となっている。当時の販売価格は170万円台だった。

また、オープンカーならではの爽快感やキュートなデザインも魅力となっており、今でも初代(NA)ロードスターのファンが多く存在する。
1993年の商品改良ではエンジンを1600ccから1800ccに変更した。初代ロードスターの累計生産台数は43万台を超え、世界的なヒット作になった。

【初代(NA)ロードスターの主なスペック等】
・全長:3970mm
・全幅:1675mm
・全高:1235mm
・ホイールベース:2265mm
・車両重量:940kg
・駆動方式:FR
・乗車定員:名2
・エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブガソリンエンジン
・排気量:1597cc
・最高出力:120PS
・最大トルク:14.0kgm
・トランスミッション:5速MT
・サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/ダブルウィッシュボーン
・発売時の販売価格帯:170万円台
1998年1月に発売された2代目(NB)ロードスター
意のままに操る楽しさやオープンエアの爽快感を継承しつつ、安全性向上などの社会的な要請に応えながら性能の向上を図った2代目(NB)ロードスター。

高剛性ボディの採用や前席SRSエアバッグの標準化、リアウィンドウをガラス製にするなど、安全性や快適性が高められている。しかし、安全装備やガラス製リアウィンドウを装備すると、重量の増加は避けられない。そこで、2代目(NB)ロードスターでは、ヘッドランプの固定化や構造の見直しなどを行い、重量増を最小限に抑えた。
エンジンは、1800ccと1600ccの2種類のDOHCエンジンをラインナップ。1800ccモデルには6速MTが設定されている。

また、誕生10周年記念の特別仕様車、クーペ、ターボエンジン搭載車など、さまざまな仕様のモデルも販売された。
【2代目(NB)ロードスター(RS)の主なスペック等】
・全長:3955mm
・全幅:1680mm
・全高:1235mm
・ホイールベース:2265mm
・車両重量:1030kg
・駆動方式:FR
・乗車定員:2名
・エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブガソリンエンジン
・排気量:1839cc
・最高出力:145PS/6500rpm
・最大トルク:16.6kgm/5000rpm
・トランスミッション:6速MT
・サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/ダブルウィッシュボーン
・発売時の販売価格帯:159.4万円~244.3万円
2005年8月に発売された3代目(NC)ロードスター
3代目(NC)ロードスターは、厳しくなる環境性能や安全性能に対応するため全面的に新設計された。スタイリングはモダンで洗練されたものとなったが、全幅の微増により3ナンバーサイズとなっている。

エンジンの排気量は2000ccとなり、リアサスペンションにマルチリンク式が採用された。
安全性能や環境性能の要件を満たそうとすると重量の増加は避けられないが、3代目(NC)ロードスターでは車両重量を1100kg前後に抑え、ロードスターらしい「人馬一体」の楽しさを継承した。

翌年(2006年)には、RHT(リトラクタブルハードトップ)を追加。ロードスターRHTでは、トランク容量を犠牲にしない電動開閉式ルーフを採用していることが特徴だ。
【3代目(NC)ロードスター(RS)の主なスペック等】
・全長:3995mm
・全幅:1720mm
・全高:1245mm
・ホイールベース:2330mm
・車両重量:1100kg
・駆動方式:FR
・乗車定員:2名
・エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブガソリンエンジン
・排気量:1998cc
・最高出力170PS(125kW)/6700rpm
・最大トルク:19.3kgm(189Nm)/5000rpm
・トランスミッション:6速MT
・サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
・発売時の販売価格帯:209.6万円~247.7万円
2015年5月に発売された4代目(ND)ロードスター
マツダの「SKYACTIV技術」と「魂動デザイン」を採用して登場した4代目(NR)ロードスターは、「守るために変えていく」を開発キーワードに革新に挑んだ。

エンジンは、初代よりも小さい直噴1500ccエンジンを搭載。全長は、歴代ロードスターの中で最も短くなっている。また、軽量高剛性な材料を使うなどの工夫により、先代比で100kg以上の大幅な軽量化を実現した。加えて、前後50:50の重量配分、ヨー慣性モーメントや重心高の低減で軽快なドライビングフィールに磨きをかけている。

2016年にはリトラクタブルハードトップ「ロードスターRF」を追加。2025年10月にはソフトトップモデル初となる2000ccエンジンを搭載し、マツダのサブブランド「MAZDA SPIRIT RACING」初の市販車となる「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」と「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」を台数限定で発売することを発表した。

【4代目(ND)ロードスター(S)の主なスペック等】
・全長:3915mm
・全幅:1735mm
・全高:1235mm
・ホイールベース:2310mm
・車両重量:990kg
・駆動方式:FR
・乗車定員:2名
・エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブガソリンエンジン
・排気量:1496cc
・最高出力:131PS(96kW)/7000rpm
・最大トルク:15.3kgm(150Nm)/4800rpm
・トランスミッション:6速MT
・サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
・発売時の販売価格帯:231万円~291万円
マツダ・ロードスターの歴史は続くのか…
ライトウェイトスポーツカーを代表するモデルとして世界中のクルマ好きから愛されているロードスターは、マツダを代表するモデルといっても過言ではないだろう。

昨今、自動車業界は大きく変化している。今後ロードスターの新型が登場するのかどうかはわからないが、どのような形であれライトウェイトスポーツカーの歴史を絶やさずにしてもらいたいと切に願っている。
文=齊藤優太(ENGINE 編集部)
(ENGINE Webオリジナル)