冬の道路で実施される規制の1つに「チェーン規制」がある。この「チェーン規制」はどのような時に行われるのだろうか。今回は、道路で実施されるチェーン規制や今年の冬の天気の見通し、チェーン規制がされている道路を通行できるタイヤチェーンについて解説する。
道路の規制の1つ「チェーン規制」とは?
国土交通省によると、チェーン規制は大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときに行われるとのことだ。

チェーン規制が実施される場所は、急な上り下りがある峠など、過去に雪による立ち往生や通行止めが起こった場所の中で、タイヤチェーンを着脱できる場所や通行止めが解除されるまで待機できる場所がある区間で行われる。
なお、チェーン規制が発表されたときは、規制区間の手前でタイヤチェーン装着状況の確認がされる。

ちなみにチェーン規制がされている道路では、スタッドレスタイヤを装着していてもタイヤチェーンの装着が必要だ。よって、雪道を走行するときは、スタッドレスタイヤを装着するだけでなく、タイヤチェーンも携行しておく必要があるといえる。
【2025年12月〜2026年2月】冬の天気の見通し
2025年9月22日、気象庁は2025年12月〜2026年2月までの冬の天候の見通しを発表した。全国の降雪量の予報は以下のとおりとなっている。

・北日本(日本海側):ほぼ平年並の見込み
・北日本(太平洋側):予報しない
・東日本(日本海側):ほぼ平年並の見込み
・東日本(太平洋側):予報しない
・西日本(日本海側):平年並か多い見込み
・西日本(太平洋側):予報しない
・沖縄・奄美:予報しない

長期的な天気予報によると、今年の冬も日本海側を中心に降雪が観測される見込みとなっている。よって、日本海側に住んでいる人や帰省などで降雪地域に向かう場合は、スタッドレスタイヤへの履き替えやタイヤチェーンの準備が必須と言えるだろう。
どのようなタイヤチェーンであれば「チェーン規制」の道路を通行できる?
チェーン規制がされている道路では、タイヤチェーンの装着が必須となるが、通行可能なタイプと通行できないものがある。

国土交通省によると、「タイヤチェーンは、さまざまな種類の製品が販売されています。チェーン規制中に通ることのできるタイヤチェーンは、自動車用品店などで販売されているものであれば問題ありません。ただし、スプレーのように薬剤を吹き付けるタイプのものでは チェーン規制中に通ることはできません」とのことだ。

つまり、金属製のチェーンやワイヤーでできた「金属チェーン」、ゴムなど樹脂製の「ウレタン&ゴムチェーン」、アラミドなどの特殊繊維でできた「布製カバータイプのタイヤチェーン」であれば、チェーン規制の道路を通行できるということになる。
タイヤチェーンはどの車輪に装着すればいいのか?
タイヤチェーンは、駆動輪(FFなら前輪2本、FRなら後輪2本)に装着する。4WD車については、メインの駆動輪に装着するのが基本だ。

例えば、4WD車のみのラインナップとなっているトヨタ・ランドクルーザー300やランドクルーザー250は、後輪にタイヤチェーンを装着する。GRヤリスやGRカローラにタイヤチェーンを装着する場合は前輪だ。

AWD車を多くラインナップしているスバルは、BRZ、サンバーバン、サンバートラックは後輪、これ以外のスバル車は前輪にタイヤチェーンを装着する。また、2WDと4WDともに装着位置は同じという注意書きまである。つまり、レヴォーグやフォレスターなどにタイヤチェーンを装着する場合は、前輪に取り付けるということだ。
クルマの冬支度としてタイヤチェーンを用意しておこう
タイヤチェーンは、雪が降る地域の道路で必要になる可能性が高い。よって、降雪地域に出かけるときは、あらかじめクルマにタイヤチェーンを備え付けておくと安心だ。

ユーザーの中には「タイヤチェーンの用意は必要ない」と思っている人もいるかもしれない。しかし、いつ大雪になり、チェーン規制が発表されるか予測するのは難しいため、雪が降る場所にクルマで出かけるときは、タイヤチェーンを用意しておくとよいだろう。
文=齊藤優太(ENGINE編集部)
(ENGINE Webオリジナル)