2025.11.16

CARS

「ラム・ランペイジ」を知っていますか? 欧州へ上陸したアメリカではコンパクトな全長5メトール級のピックアップ・トラック

欧州に上陸したこんなアメリカン・ピックアップを知っていますか?

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トラックや商用バンを扱うクライスラー系ブランドの「ラム」が、ブラジルで生産するピックアップ・トラックの「ランペイジ」を欧州へ投入する。

もし上陸すればハイラックスやトライトンのライバルに!?


「ラム・ランペイジ」のお披露目は、イタリアで開催された乗馬関連の見本市であるフィエラカヴァッリ2025の会場で行われた。



1980年代にダッジ・ブランドで同名のセダン&ピックアップが販売されたが、今回はフレーム・シャシーの本格トラックとなった「ランペイジ」。車体サイズは5028×1886×1716mm、ホイールベースは2994mmと、三菱トライトンや販売休止中のトヨタ・ハイラックスよりやや短く、ラムの区分ではコンパクト・ピックアップにあたる。



エクステリアは、フルLEDのヘッドライトや、コーナリング・ライト機能も備えたLEDフォグライトを装備。テール・ライトは、星条旗を思わせる点灯パターンが特徴だ。



ダブルキャブの後方に伸びる荷台は、980リットルの積載容量を備える。“レベル”というグレードには耐パンク技術を採用した17インチのピレリ製オールテレイン・タイヤ、“R/T”という耳馴染みのあるグレードには10mmローダウンしたサスペンションと19インチ・タイヤを装備する。



パワートレインは2種類を用意。



オフロード志向の“レベル”は2.2リットルのマルチジェット・ターボ・ディーゼルで、最高出力/最大トルクは200ps/450Nmを発生し、0-100km/h加速は9.9秒、最高速度は196km/hをマークする。



いっぽうスポーティな“R/T”には、2リットルのハリケーン4ターボを搭載。ジープ・ブランドでも採用されるこのガソリン・エンジンは、272ps/400Nmを発生し、0-100km/hは6.9秒、最高速度220km/hに達する。

いずれも変速機は9段ATで、ダイヤル式セレクターのほか、パドルでも選択可能。駆動方式は4WDで、前後駆動力はオートで常時調整されるが、ボタン式のロー・レンジも用意される。サスペンションは前後マルチリンクで、走破性と乗用車的なフィールの両立を図った。操舵系はステア・バイ・ワイヤで、ヒル・ディセント・コントロールやレベル2のADASも標準装備。ブレーキは前305mm/後320mmの四輪ディスクで、電気式パーキング・ブレーキやオートホールドも備わる。



内装は、乗用車並みの豪華仕様だ。メーターは10.3インチのフル・デジタル、センター・ディスプレイは12.3インチでApple CarPlayとAndroid Autoに対応する。デュアルゾーン・エアコンは後席送風口も備え、オーディオは9スピーカーに6インチのサブウーファーも組んだハーマン・カードンがおごられる。





加えて“R/T”グレードはパーフォレート加工のスウェード、“レベル”はブラック・レザーとウォッシャブル素材を使用し、用途とキャラクターに合わせた仕立てとなっている。

ステランティスでは、CセグメントSUVとミッドサイズピックアップの中間を求めるユーザーを想定しているという「ランペイジ」。2023年からブラジルで販売されているが、トランプ関税の影響や、全米自動車労組との兼ね合いなど、ブラジル生産モデルを本国へ導入するのは難しいとみたのか、2027年からはアメリカ国内でも生産される計画が発表されている。



日本でも、にわかにピックアップ人気が高まりつつある。導入を期待するには市場規模も、ラムの認知度も、マニア向けの領域を脱していないかもしれない。とはいえ、ジープ・グラディエーターが意外や人気となるお国柄でもある。今後の動向に注目したい。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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