2025.11.17

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りんごダイエットで挑んだ「アバルト1000モノポスト」の速度記録をリスペクトする「ブレイル」とは?【イタリアン・ブランドのダブルネームは465本の限定品】

アバルト・ファンならぜひとも欲しい限定品!

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イタリア、ステランティス・ヘリテージが、アバルトと1935年にミラノで創設された時計/宝飾品ブランドであるブレイルとのコラボレーションウォッチ「ブレイル・アバルト1000クロノグラフ」を発表した。

りんごダイエットした創業者カルロが自らドライブ!


このクロノグラフは、1965年10月20日にアバルトを立ち上げたカルロ・アバルト自らのドライブで、アウトドローモ・モンツァを走った「アバルト1000モノポスト・レコード」の60周年を記念する限定品だ。





42mmのケースとストラップは、イオン・プレート・ブラックのスティールで、クラスプには両ブランドのロゴが入る。10気圧防水だ。

ベゼルはフォージド・カーボンで、風防はサファイヤ・ガラス。「アバルト1000モノポスト・レコード」の計器盤をイメージした文字盤はカーボンで、12時の位置にはロゴが並ぶ。ストップ・ウォッチのスタート・ボタンを赤とし、黒いケースとのコントラストを際立たせたのは、アバルトのビジュアル的なテーマを反映してのことだ。



「アバルト1000モノポスト・レコード」は単座のオープン・ホイールで、1964年シーズンを戦ったF2マシンをベースに製作された。8800rpmで最高出力105psを発生するDOHCエンジンと、10リットルの小さな燃料タンクを搭載し、乾燥重量はわずか500kgに抑えられている。



この記録挑戦にあたっては、おもしろいエピソードがある。57歳の誕生日を1カ月後に控えたカルロは、どうしても自分でドライブしたかったが、恰幅がよすぎてコックピットに身体が収まらなかった。

そこで彼は一念発起し、りんごダイエットで30kgの減量に成功。カゴに積まれたりんごを横にポーズを決めたカルロの有名な写真は、これにちなんだものだ。



クルマに合わせた自身の軽量化も功を奏して、クラスGの新記録となる、ゼロヨン13.62秒と0-500m15.38秒の発進加速で、アバルトにとって100件目の速度記録を樹立した。翌日には2000ccのクラスEにもチャレンジし、11.55秒と15.38秒の新記録を達成している。





今回のコラボレートによる「ブレイル・アバルト1000クロノグラフ」は465本限定で、価格は399ユーロ(約7.2万円)と意外なほどお手頃だ。2024年には「ブレイル・アバルト500e」を発売した両ブランドの関係は、10年以上にわたって続いている。コアなアバルト・マニアならば、ぜひコレクションに加えたいところだろう。



なお、「アバルト1000モノポスト・レコード」は、伊トリノのヘリテージ・ハブに、1956年の「アバルト750レコード・ベルトーネ」や、1960年の「フィアット-アバルト1000レコード・ピニンファリーナ」と合わせて展示されている。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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