2025.12.02

CARS

アメリカにおける日産人気は未だ衰え知らず⁉︎1000馬力オーバーの超無骨な2代目「パトロール」も登場【SEMAショー2025】

フォースバーグ・レーシングとのコラボで製作した1990年型パトロール。

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1000馬力オーバーのパトロール

出展傾向も各メーカーで異なり、日産はSUVやオフロード車を中心とした内容となった。広大な砂漠を駆け抜けるための一台「デューン・パトロール」や、マリンスポーツをより楽しませる「フロンティア・ラピッド・ランナー」、日産 GT-RのVR38DETTエンジンを移植した「インフィニティQX80 R-spec」などがブースを彩ったが、その中でも特に話題を呼んだのが一台の1990年型「パトロール」だ。

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このパトロールはアメリカの「フォーミュラ・ドリフト」選手権にフェアレディZで長年参戦しているクリス・フォースバーグ選手が率いる「フォースバーグ・レーシング」とのコラボで生まれた。

公式には「パトロール」と名乗っているが、用いられている個体自体は右ハンドル、日本向け2代目「日産サファリ」の3ドア・ショートとなる。日本から輸入された証拠として、会場にて実車のドアを開けた際に、オイル交換時期を示す日本語のステッカーが確認できた。



今回のビルドはスポーツカーやサーキットのイメージが強いNISMOブランドを、ヘビーデューティーの世界でもアピールする意味合いが大きい。

ボディにはNISMOロゴをあしらったラッピングを施し、NISMOが販売する直径6インチのオフロード・ライトをフロントに設ける。また、専用で製作されたNISMOの別タンク式ラフロード・サスペンションや、17インチ・9J+0のNISMO AXISビードロック・ホイールも用いており、まさに目につく範囲のほとんどをNISMOで仕上げている。



エンジンにはY61型パトロール専用のTB48型直列6気筒エンジンを使用。Hypertune製ビレット・インテーク・マニフォールドやギャレット製G42-1200ターボ・チャージャー、リンク製ECU制御といったチューニングを施して出力はなんと1000馬力超を誇る。凄まじいパフォーマンスで観客を魅了するフォースバーグ選手らしい性能を持つオフロード・マシンだと感じた。

会場では現行パトロールのカスタムカーと前後で並べるなど、パトロール・ヘリテージを感じさせる展示手法を用いた。足回りを下に潜る勢いで観察したり、エンジンルームを覗き込んで施されたチューニングについて考えたり、来場者がそれぞれの視点でこの特別なパトロールに魅了されていた様子だった。

また、カスタムカー展示のほかには日産やNISMOグッズの会場販売も行なわれた。

NISMOの旧ロゴをあしらったアパレルも取り扱っており、旧ロゴ好きの筆者にはとっておきの商品だったが、買おうとしたサイズが売り切れていて泣く泣く断念した。何かと厳しい経営状況に直面している日産だが、アメリカでもまだまだ根強いファンは多く、そういったファンを喜ばせる「これから」に期待したい。

アメリカでは元よりアウトドア趣味が盛んだったが、特にコロナ禍以降は「人から離れて遊べるアクティビティ」としてさらなる注目を浴びており、SEMAショーでもオフロード関連の出展が拡大傾向にあると感じる。

トヨタもスポーツカー系の展示に加え、「タンドラ」や「タコマ」といったオフロード系カスタムを毎年お披露目しており、日本のイメージからすると新鮮な感覚だ。日産も負けじとNISMOブランドにおけるオフロード像の構築に注力しており、それが今回の新旧パトロールの展示に繋がったことなのだろう。

文=加藤ヒロト

(ENGINE Webオリジナル)
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