2025年12月にトヨタ・GRの新型車が発表される予定となっている。すでに、TOYOTA GAZOO Racing公式ページでは、カウントダウンが始まっており、GR新型モデル・レクサスLFA・トヨタ2000GTのヘッドランプの画像が掲載されている。今回は、この3台の中でもトヨタのスポーツカーの歴史を語る上で欠かすことができない「2000GT」について紹介する。
トヨタの底力を見せつけた2000GT!映画『007』にも登場した日本車
トヨタ2000GTは、トヨタとヤマハ発動機の協力によって1967年に発売されたスポーツカーだ。販売が終了する1970年まで3年間で337台が生産された。

このモデルは、2リッター直列6気筒DOHCエンジンや4輪ダブルウィッシュボーンサスペンション、4輪ディスクブレーキ、ラジアルタイヤ、マグネシウムホイール、リトラクタブルヘッドランプなど、日本初となる技術を採用。当時の欧州スポーツカーと並ぶ性能を誇っていた。

デザインは、まさに“流麗”という言葉がふさわしいスタイルで、空気抵抗が少ない造形のエクステリアと、木目パネルがふんだんに使われた豪華なインテリアが特徴だ。
発売前の1966年10月に3つの世界記録と13の国際記録を樹立した2000GT
トヨタ2000GTは、発売前の1966年10月にJAFとFIAのルールに基づく超高速タイムトライアルに挑戦。台風(28号)が近づく悪条件下だったにも関わらず、平均時速206.18km/h、連続走行78時間、走破距離1万6000kmという3つの世界記録と13の国際記録を樹立した。

その他にも、さまざまなレースで好成績を収め、トヨタの底力を世界に見せつけた。
映画『007』に登場した日本車として知名度が高い2000GT

1967年に公開された映画『007は二度死ぬ』では、トヨタ2000GTのオープントップモデルが登場した。劇中で使用された2000GTはプロトタイプで、2台のみ製作されたといわれている。
生産台数はわずか337台!今なお語り継がれる2000GTの主なスペック
トヨタの優れた技術を世界に知らしめ、世界的に人気の映画にも登場した2000GTの主要スペックは次のとおりだ。

・型式:MF10
・全長:4175mm
・全幅:1600mm
・全高:1160mm
・ホイールベース:2330mm
・トレッド(フロント/リア):1300mm/1300mm
・最低地上高:155mm
・室内長:720mm
・室内幅:1430mm
・室内高:950mm
・車両重量:1120kg
・乗車定員:2人
・最小回転半径:5.0m
・エンジン:直列6気筒DOHC(3M型、排気量=1988cc)
・最高出力:150PS/6600rpm
・最大トルク:18.0kgm/5000rpm
・トランスミッション:5速MT
・駆動方式:FR
・燃料タンク容量:60L
・ブレーキ(フロント/リア):油圧ディスクブレーキ/油圧ディスクブレーキ
・最高速度:220km/h
・最高巡航速度:205km/h
・0-100km/h加速:8.6秒
・0-400m加速:15.9秒
・生産期間:1967年〜1970年
・生産台数:337台
・車名の由来:2000ccのGT(Grand Tourismo)
GRの新型モデルは2000GTのような名車になるのか?!
2025年12月に発表される予定のGRの新型モデルは、事前に公開されている画像からもわかるように、歴史に残る名車トヨタ2000GTとレクサスLFAと並んでいる。この新しいGRのスポーツカーは、歴史的名車の1つとなる予告なのだろうか。
文=齊藤優太(ENGINE編集部)
(ENGINE Webオリジナル)