2025.12.04

CARS

ホンダを象徴する初代「NSX」が現代へ“転生” あのピニンファリーナが再解釈したレストモッドが登場

現代に蘇った初代ホンダ「NSX」! その名はなんと「TENSEI(テンセイ)」!

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イタリアのレーシング・コンストラクターであるJ.A.S.モータースポーツが、かねてより予告していた初代「ホンダNSX」をベースとするロード・カーの概要を公開した。

ホンダを知り尽くしたスペシャリストが手がける初代「NSX」の復刻!


その名は「TENSEI」。つまりテンセイ=転生だ。初代NSXを、登場から30年余りの時を超えて現代に転生させる、というわけだ。



オリジナルの初代「NSX」のシャシーにまとう、現代風にアレンジされたボディはフル・カーボンで、デザインは伊カロッツェリアのピニンファリーナが担当。



ホンダは「NSX」以前にピニンファリーナとともにコンセプト・カーの「HP-X」を手がけており、「NSX」や同世代の「ビート」のスタイリングについては同社の影響も感じられるのだが、公式には関与したというアナウンスはされていない。



スタイリングの基本形は、オリジナルに沿ったものだ。キャビン形状はもちろん、縦長のリトラクタブル・ライトやボディ一体型のリア・スポイラーなども踏襲している。しかし、フロント・バンパーは開口部を拡大し、どことなくピニンファリーナが手がけた最後期あたりのフェラーリを思わせるディテールも盛り込まれている。鼻先にはホンダのHマークではなく、J.A.S.のエンブレムが光る。



ボンネットには、冷却や空力に効果を発揮するであろう大きなエア・アウトレットを設置。フェンダーは外へ張り出し、ドアの前には通風口が設けられている。ホイール・アーチやボディ・サイドのエア・インテークも拡張され、よりグラマラスなボディ・ラインに。そして、後輪アーチの直前にはピニンファリーナのロゴが記される。



テール・ライトの外形は「NSX」のそれだが、現代風のLEDを使用し、中央にはJ.A.S.のエンブレムを配置。リア・バンパーは曲線的な今風のデザインとなり、縦長の台形エグゾーストに挟まれた部分はディフューザーと思しき造形とされている。

今回、内装の画像は披露されなかったが、ピニンファリーナが手がけ、モータースポーツ由来の要素が盛り込まれるという。ハンドル位置は左右とも設定される予定だ。



パワートレインについては、既存のV6自然吸気ユニットと6段MTを組み合わせるとのこと。ただしエンジンは、最高レベルのパワーとトルク、そしてレスポンスを目指して開発されるとされている。



実車が公衆の面前に現れるのは2026年前半とのことで、ごく少数が伊ミラノ・アルルーノにあるJ.A.S.のアトリエで製作される。アジア地域での販売は、スーパーカー・ビジネスも手がけるパートナー企業のSPSグローバルを通して行われる見込みで、車名の発表は2025年11月に同社が富士スピードウェイで開催した顧客向けイベントで行われた。

J.A.S.モータースポーツの創立は1995年で、1998年から2年間はドイツSTWのホンダ・ワークス・チームを担当。以降もオフィシャル・パートナーとして、欧州のツーリングカー・レースなど戦ってきただけに、ホンダ車への造詣は深い。クルマの完成度には期待できそうだが、カルト的な人気を誇る初代「NSX」だけに、熱狂的なファンはこのレストモッドにどのような反応を示すのか、気になるところだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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