2025.12.07

CARS

アート・カーといえば有名なのはBMWだが、伊ミラノ・アウトクラシカに登場した「MC20チェロ・オペラ・ダルテ」は“マセラティ・フォーリセリエ”のデザインと技術をアピールする逸品

こんなカスタマイズを可能ならばしてみたい? マセラティMC20のアート・カーが出展。

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マセラティが、クラシック・カーとスポーツカーの祭典である、ミラノ・アウトクラシカに、「MC20チェロ」をベースにした「オペラ・ダルテ」を出展した。

数千時間を費やしたもはやアート作品


マセラティの現行ラインナップとなる「MCプーラ・チェロ」の先代に当たる「MC20チェロ」をベースとするこのアート・カーは、2024年にパーソナライゼーション・プログラムの“マセラティ・フォーリセリエ”によって製作された一点物だ。



芸術作品を意味する車名に恥じず、エクステリアはブルーのボディに、アシッド・イエローやオレンジ、ハイパー・グリーンなど15ものカラーを用いて色彩豊かに、抽象的なパターンが描かれた。



ホイールも、スポークのデザインが際立つ彩色で仕上げられている。



内装は、ダッシュボード下部に外装と呼応するグラフィックが描かれる。



トリム・パネルと同様、ブルーのアルカンターラで覆ったシートには、レーザー・エッチングやアクセント・カラーによる装飾が加えられ、各部にはカーボンやレザーも組み合わせる。職人技による工程には、のべ数千時間を要したという。



チェントロ・スティーレやエンジニアリング部門と連携し、手作業によるアート・ワークが施されたこの「MC20チェロ・オペラ・ダルテ」。今回は『アートカー:デザインとクルマが出会う時』と題したトーク・ショーに花を添えるべく展示された。



なおアート・カーといえば、先駆的存在はBMWだ。1975年、ル・マン24時間に参戦したフランス人ドライバーのエルヴェ・プーランが、アメリカの彫刻家であるアレクサンダー・カルダーに、自身が駆る「3.0 CSL」のデザインを依頼したのをきっかけに、さまざまなアーティストがBMWのレーシング・カーをキャンバスとし、かのアンディ・ウォーホルによる有名な「M1」も誕生。



その後は市販車ベースも含め、2024年までに20台が製作されている。

ここまで継続的でなければ、奇抜なペイントを施されたアート・カーの類はそれほど珍しいものではない。ただし、それらはアーティストの作品であることが一般的なのに対し、この「オペラ・ダルテ」はデザインから仕上げまで、すべて社内で行っているのが特徴的といえる。

“マセラティ・フォーリセリエ”ではもう一台、「レス・イズ・モア…?」と銘打ったワンオフの「MC20チェロ」を2025年春に発表。バウハウスの思想にインスパイアされた、シンプルながらアーティスティックなストライプや、専用開発したボディ・カラーを採用したモデルで、伊モデナの本社工場内に新設したオフィスで完成させた。



先頃、アルファ・ロメオと共同で立ち上げた、カスタマイズや少量生産車などを手がける“ボッテガ・フォーリセリエ”に組み込まれた“マセラティ・フォーリセリエ”だが、その実力を2台のアート・カーは遺憾なく示している。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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