心踊るホリデーシーズン。この秋冬は、逸話あふれる一生モノの腕時計を、大切な人や自分への贈り物として選びませんか。“時計愛&好!”を持って任ずるENGINE時計委員会9名が、知見・体験や思い入れをふまえて「推し時計の歴史やストーリー」、「時計と自信の物語(ナラティブ)」エモーショナルに紡ぎます!
1999年に初めて当時のSIHHを取材した際、オーデマピゲのショーケースに飾られている時計に目が釘付けになった。それが初代「スターホイール」だった。どうやって時間を示すのか、どうしても気になりケースから出してもらい、リュウズを操作した時の感動は今も鮮明に覚えている。私自身が時計のメカニズムに興味を持つきっかけとなった元祖“サテライトアワー”は、しかしその後すぐに姿を消してしまった。それが2022年に復活。3つのアワーディスクの切り替えは、ダイアル外周に潜めたリングの内側の歯で行うクレバーな仕組みに改良されている。ちょっと奇抜でニッチな機構ではあるが、その動きは時間単位の源となった天体に似て、今も心が惹かれる。
(高木教雄/時計ジャーナリスト)
オーデマ ピゲの「スターホイール」は、大好きな時計のひとつ。初めて実際に見たのは2000年前後だから、ずいぶんと前。それ以来“ワンダリングアワーウォッチ”(そう呼ばれていますね)の歴史に興味を持ち、海外の時計専門書に目を通したり、時計博物館で展示物を探したりした。17世紀や18世紀の懐中時計は、トリッキーな表示とともに贅沢な装飾もすこぶる面白く、当時のオーナーが楽しんだ姿が思い浮かぶ。オーデマ ピゲは、その歴史的な表示の仕組みを再現し、腕時計で可視化したところが素晴らしい。およそ20年ぶりに復活したスターホイールに「待ってました」と喝采の声を上げた時計好きも多かっただろう。やっぱりいいよな、この不思議大好きな感覚。
(菅原 茂/時計ジャーナリスト)

時間を示す3つの回転ディスクを支える星形ネジから「スターホイール」と名づけられたモデルは、1991年から2003年にかけて約30種類が作られ、代表作のひとつになった傑作。ヴァガボンドアワーとも呼ばれるこの機構が「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」に初登場したのは2022年。2025年の新作ではピンクゴールドのベゼルおよびケースバックと、ブラックセラミックのミドルケースを組み合わせ、優美な現代的なデザインによって歴史に由来する異色の複雑機構を引き立てる。自動巻き。パワーリザーブ約70時間。ケース直径41mm、3気圧防水。858万円。
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