2025.12.21

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“時を保留し、時間を忘れる”夢ある境地への誘い|エルメス アルソー タンシュスポンデュ

エルメス アルソー タンシュスポンデュ

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心踊るホリデーシーズン。この秋冬は、逸話あふれる一生モノの腕時計を、大切な人や自分への贈り物として選びませんか。“時計愛&好!”をもって任ずるENGINE時計委員会9名が、知見・体験や思い入れをふまえて「推し時計の歴史やストーリー」、「時計と自信の物語」エモーショナルに紡ぎます!

今回取り上げるのは、 エルメス「アルソー タンシュスポンデュ」。ボタンを押すと時分針が天頂で停止し、日付が消える──。この時計は、持ち主を時間というくびきから解放する!

解放されたような気分に

すでに何度「この時計がイイ!」と推薦コメントを書いたことだろう。あまりにも好きなので、やや大きめサイズなのに女性誌でも紹介してしまったくらいだ。左側面のボタンを押すと、時分針は12位置にジャンプ。短針は12時の少し左、長針は少し右という、通常ならありえない位置に止まる。さらにレトログラード表示のデイト針も隠れてしまうのだ。時間を保留(シュスポンデュ)しましょう、というエスプリの効いたデザイン。何時ともいえない不思議な時間を指して静止している針を見ると、何というかホッとひと息つくような、解放されたような気分になる。ムーブメントはエルメスが資本参加するヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエ製ですよ!
(本間恵子/ジュエリー&時計ジャーナリスト)

想像力膨らむ夢ある機構

普段使っているエルメスに「サック・ア・デペッシュ」がある。定番のブリーフケースだ。パリのアンティークショップで手に入れたのはもう10年以上前、当時はまだ手の届く範囲でしかも格安だった。理由は、バックルの留め具を前の所有者が自ら修理していたからだ。本来はふたつの半球が並ぶところ、片方がやけに大きい。でもそこが気に入っている。どうしてこんな仕様にしたのか。修理に出したり、せめてオリジナルに近づけようとしなかったのか。そんな思いを巡らせるのが楽しい。バッグを通し、時空を超えて前の所有者と会話しているようだ。この時計も“時を保留し、時間を忘れる”というコンセプト。そんな想像力が膨らむ夢ある機構もエルメスらしい。
(柴田 充/時計ライター)

エルメス アルソー タンシュスポンデュ

(C)Joel Von Allmen

「時を忘れる」機能を搭載したユニークな複雑時計として注目を集めた「アルソー タンシュスポンデュ」は2011年に初登場。「時を保留する」という意味をもち、9時位置のプッシュボタンを押すと、時針と分針は12時付近に移動して止まり、レトログラード式の日付針も姿を消すが、その間も機構は動き続け、再びボタンを押すと時刻と日付が示される仕組み。リニューアルした最新作はダイアルにオープンワークを取り入れ、唯一無二の仕組みを一段とミステリアスに見せる。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径42mm、3気圧防水。663万3000円。

問い合わせ=エルメスジャポン Tel.03-3569-3300

写真=岡村昌弘

(ENGINE2026年1月号)


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