2025.12.25

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【時計の奥深き世界】F.P.ジョルヌ×コッポラ監督の幻のプロトタイプが約17億円!パテック フィリップ(Ref.1518)が約27億円で落札されたオークション

映画監督フランシス・フォード・コッポラとF.P.ジュルヌのコラボウォッチ「FFC」オークションの様子

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時計の世界は実に奥が深い。新作モデルやヴィンテージモデルは比較的身近にある。しかし、唯一無二の1本に触れる機会は極端に少ない。

この奥深い時計の世界の一部を見せてくれるのが、フィリップスのオークションだ。今回は、2025年に開催されたオークションに出品されて落札されたモデルの中から厳選した3本を紹介する。

映画監督フランシス・フォード・コッポラとF.P.ジュルヌとのコラボレーションモデルのプロトタイプや約27億円で落札されたパテック フィリップなどを、その時計のストーリーや特徴とともに見ていこう。

20・21世紀の作品を扱うグローバルなプラットフォーム「PHILLIPS(フィリップス)」

フィリップスは、20・21世紀の作品を扱うグローバルなプラットフォームとして、近・現代アート、デザイン、写真、エディション、時計、ジュエリーの分野において専門的な知識を提供している。オークションと展覧会は、主にニューヨーク、ロンドン、ジュネーヴ、香港で開催されている。



今回紹介する3本の時計は、いずれもフィリップスのオークションに出品されたものだ。このフィリップスのオークションには、日本からも入札することができる。時計をはじめ、希少なジュエリーや近・現代アートに興味がある人は、一度公式サイトを見てみるとよいだろう。

プロトタイプが約17億円で落札!映画監督フランシス・フォード・コッポラとF.P.ジュルヌのコラボウォッチ「FFC」

フィリップスのオークションでは、量産されているモデルだけでなく、プロトタイプ(いわゆる試作品)が出品されることがある。ニューヨークのオークションに出品されたのは、映画監督フランシス・フォード・コッポラとF.P.ジュルヌが手がけたコラボレーションモデル、「FFC(Francis Ford Coppola )プロトタイプ」だ。



コッポラ監督とF.P.ジュルヌの出会いは、コッポラの妻エレノアが2009年にクリスマスプレゼントとして贈ったプラチナ製のクロノメーター・ア・レゾナンスだった。

この時計に魅了されたコッポラは、2012年にフランソワ=ポール・ジュールヌ(F.P.ジュルヌ)を自身のワイナリーに招待し、ジュールヌに“人間の手が使われたことがあるのか​​、あるいは時間を示すのに使えるのか”尋ねた。このことが「FFC」の誕生のきっかけとなった。



ジュルヌとコッポラは、人の片手だけで1〜12の数字をどのように表示すればよいのかという課題に着手。片手で1〜5までの数字を示すのは簡単だ。しかし、6〜12までをどのように示すのがが難問だった。

最終的に、人差し指を1として、中指、薬指と徐々に指を増やして5までを表示し、親指だけで6、親指と人差し指で7、親指と人差し指と中指で8と数を増やし、10で全ての指を格納、小指だけの表示が11、小指と親指で12を示すという方法で時刻を表すことに成功した。



映画監督コッポラは、妻エレノアのクリスマスプレゼントをきっかけにF.P.ジュルヌに出会い、今までにない斬新な時計「FFC」を作り上げた。販売された「FFC」も貴重なモデルだが、このプロトタイプはさらに希少な存在だ。

2025年にニューヨークで開催されたフィリップスのオークションでは、この「FFC」プロトタイプが日本円で約16億7900万円(1075万5000ドル、1ドル=156.12円換算)で落札された。

◆映画監督フランシス・フォード・コッポラとF.P.ジュルヌが手がけたコラボレーションモデル、「FFC(Francis Ford Coppola )プロトタイプ」の詳細情報はこちら

希少なステンレススチールのパテック フィリップ Ref.1518!その落札額はなんと約27億円

雲上ブランドの1つと称されるパテック フィリップのRef.1518は、世界で初めて永久カレンダー・クロノグラフを搭載した量産モデルだ。



約284本生産されたRef.1518の多くが、イエローゴールドまたはピンクゴールド製となっている。そのため、ステンレススチール製のRef.1518は非常に少なく、公で確認されているのはわずか4本だけだ。

そのうちの1本が2025年にジュネーブで開催されたフィリップスのオークションで出品された。



その希少性の高さから、落札額は日本円で約27億590万円(1419万スイスフラン、1スイスフラン=190.69円換算)。日本円換算の金額としては、2017年に出品されたロレックス デイトナ “ポール・ニューマン”の落札額(約20億円)を超える金額となった。



金属の価格だけで考えれば、一般的にイエローゴールドやピンクゴールドの方が高くなる傾向にあるが、パテック フィリップ Ref.1518のステンレススチールモデルは、確認されている本数が少ないことから、ゴールド製のモデルを超える価格となったのだ。

パテック フィリップRef.1518の詳細情報はこちら

日本国内にもオーナーがいるかも?!希少なパテック フィリップ Ref.3971も億単位での落札

パテック フィリップの永久カレンダー・クロノグラフ Ref.3970は、1986年から2004年までの18年間にわたり生産された。このRef.3970はソリッドケースバックだが、今回紹介するRef.3971は、サファイアクリスタル製のケースバックを備えているモデルとなる。



Ref.3970/3971は、第1シリーズ(1986年~1988年)、第2シリーズ(1987年~1990年)、第3シリーズ(1989年~1995年)、第4シリーズ(1994年~2004年)に分類される。

2025年に香港で開催されたフィリップスのオークションに出品されたRef.3971は、約50本のみ生産されたとされている第2シリーズのモデルだ。



また、フランス語で“金(ゴールド)”を意味する「Dore」文字盤のRef.3971は非常に少なく、今回出品されたモデルはオリジナルの文字盤を使っていることが証明されている2本のうちの1本となっている。

Ref.3970と比べると市場に出回っている本数が少ないRef.3971の中でも希少なオリジナルのゴールド文字盤であることが証明されているモデルの落札額は、日本円で約2億930万円(1013万香港ドル、1香港ドル=20.66円換算)となった。

パテック フィリップ Ref.3971の詳細情報はこちら

もしかしたら眠っているコレクションが思わぬ金額になる可能性もある?!

最後に紹介したRef.3970/3971は、日本国内のコレクターも所有している可能性が高いモデルだ。

フィリップスのオークションでは、世界中のコレクターが入札をするため、希少なモデル、かつ、状態が良ければ高値で落札される可能性がある。

もし(このようなことは考えたくないが)やむを得ない事情により、時計を手放さなければならなくなったときは、フィリップスのオークションに出品してみてはいかがだろうか。



フィリップスは、2026年2月16日〜22日に日本で時計の専門家による査定会ツアーを開催する。詳細や質問などは電話またはメールで受け付けている。

■問い合わせ/査定予約の申し込み
Tel:03-6273-4818
Mail:tokyo@phillips.com
※事前予約制

2026年のオークションスケジュール

・2026年5月9日〜10日:ジュネーブ時計オークション
・2026年5月30日〜31日:香港時計オークション
・2026年6月13日〜14日:ニューヨーク時計オークション

文=齊藤優太(ENGINE編集部)

(ENGINE Webオリジナル)