欧州トヨタは、新型Aセグメントコンパクトカー「アイゴX（Aygo X）」に初めてGR SPORTグレードを設定した。
欧州で人気のコンパクトクロスオーバーSUVアイゴX
アイゴXは、Aセグメントのコンパクトカーであるトヨタ・アイゴから派生したコンパクトクロスオーバーSUVだ。欧州で設計・開発されたアイゴXは、2022年に発売され、ヨーロッパでヒットモデルとなった。
2025年12月29日に発表された新型アイゴXは、コンパクトクロスオーバーSUVとしてのアイデンティティを強化する新しいフロントデザインに一新。
立体感のあるブラックのフロントグリルは、トヨタを象徴するダブル・トラペゾイドシェイプ（台形）を特徴とし、76mmのフロントオーバーハングと相まって、堂々とした印象となっている。
インテリアは、最新技術と実用的なデザインにより、快適で利便性が高く、シンプルでありながら上質な雰囲気だ。
また、新型アイゴXはコンパクトなボディサイズであるものの、高いドライビングポジションにより優れた視界が確保されているだけでなく、4人が乗車できるスペースを備えている。
荷室は、容量が231リットルとなっているため、日常の必需品から大きな荷物まで、さまざまなモノを積載できる。
コンパクトで機敏な走りが特徴のアイゴX
アイゴXには、TNGAのGA-Bプラットフォームが採用され、低重心かつ高剛性なボディを実現している。また、走りを支えるサスペンション、ブレーキ、ステアリングが刷新され、よりスムーズでレスポンスに優れたドライブフィールとなっているのも特徴だ。
ブレーキは、4輪すべてにディスクブレーキが採用されている。ステアリング制御システムは、市街地走行における軽快なフィーリングと俊敏性の向上を目指してチューニングされた。
パワートレインは、ヤリスやヤリスクロスと共通の1.5リッターエンジンとモーターが組み合わされたハイブリッドだ。このハイブリッドシステムのエンジンは専用チューニングがされており、回転数に伴ったリニアな加速感を実現している。
初設定となるアイゴX GR SPORTは俊敏なドライビングを楽しめるスポーティなクロスオーバーSUV
新型アイゴXには、スポーティなスタイリングのGR SPORTが初めて設定された。
アイゴX GR SPORTは、ショックアブソーバーとコイルスプリングの専用チューニングに加え、新設計のワイド径スタビライザーにより、ドライビングダイナミクスが洗練された。
また、チューニングされた電動パワーステアリングにより精確なハンドリングを実現している。加えて、コーナリング時に発生するロールも最適化されているため、ドライビングを楽しめるようになっているのも特徴だ。
エクステリアは、ブラックのボンネットの採用により、他のグレードと差別化されている。そのほかにも、GRシリーズに採用されているメッシュのフロントグリルや専用の新設計GR SPORT 18インチアルミホイールによりスポーティな雰囲気を演出しているのもポイントだ。
インテリアは、ブラックとグレーを基調としたスポーティな雰囲気となっている。また、シートのグレーのアクセントやGRロゴの刺繍がGR SPORTグレードであることを強調している。
フロントシートは、メインインサートに洗練されたサステナブル素材のSakuraTouchとDinamica（スエード調の人工皮革素材）を採用。シート表皮の素材そのものの特性により、滑りにくく安定した着座姿勢をキープできる。
新型アイゴXの主要スペック
新型アイゴXの主要スペックは次のとおり。
・全長：3776mm
・全幅：1740mm
・全高：1525mm
・ホイールベース：2430mm
・最小回転半径：4.7m
・エンジン：1.5リッター直列3気筒ハイブリッド
アイゴXは、日本でも販売されているヤリス（全長3950mm、全幅1695mm、全高1495または1510mm）より全長が短く、全幅がわずかに広く、全高が少し高く、最小回転半径が小さい（ヤリスの最小回転半径は4.8〜5.1m）。
コンパクトなボディサイズと小回りの良さが特徴のアイゴXは、日本の道路事情にもピッタリだ。アイゴXが日本市場へ導入されるかどうかは不明だが、クロスオーバーSUVの人気があることから、日本で販売されればヒットモデルになる可能性は高いだろう。
文=齊藤優太（ENGINE編集部）
（ENGINE Webオリジナル）
