【前後篇の後篇/前篇からの続き】
永遠のアイコニック・コンパクトであるミニの代表的なボディタイプを集めて一気乗り! ミニの魅力とは何かを論じた総論のプロローグに続いて、今回はBEVのJCWエースマン、クーパーSE、ガソリン車のJCWコンバーチブル、クーパー5ドアSの4台のインプレッションをお送りする。座談メンバーは同じくモータージャーナリストの吉田拓生さんと西川昇吾さん、エンジン編集部の佐藤玄と村山雄哉の4名だ。
【前篇】コンパクトカーが欲しいなら、新型ミニは本命なのか?まずは知っておきたい“最新ミニ4台”の魅力***
新型ミニのBEVはすごく良い
佐藤 まずは、ガソリン車2台、BEV2台について、試乗した印象を話しましょうか。
西川 今日のラインナップの中で一番万人に勧められるのは、5ドアSのガソリン。ちょっとドイツ車的な色合いというか、ドイツ味が一番濃いけれども、ちゃんとミニ本来の乗り味は残っている。その分いろんな人に勧められる乗り心地ですね。
吉田 低速ではイギリス車の乗り心地の良さが際立つけど、飛ばすとドイツ車のスタビリティが顔を出す。
村山 クルマとしては5ドアSは万能でいいなと思いつつ、僕はコンバーチブルの方が好み。これぐらいのちょっと緩い感じがのんびり走っても気持ちいいし、気合入れても楽しい。楽しめる幅はJCWコンバーチブルが一番広いかもしれない。
西川 JCWコンバーチブルは、やっぱりエンジンの主張が一番大きいクルマですね。ターボ・エンジンらしい回り方とか、ステアリング・フィールなどを含めて。BMWミニになってから、ホットハッチとしてミニを好きになった、ここ10年ぐらいのファンのために選択肢を残してくれてる感じがします。
吉田 僕は逆に、JCWコンバーチブルは「古いな」と思いました。これならいらない。ミニを「新しい世界を見たいクルマ」と定義するなら、電気自動車の方がいいな。
佐藤 なるほど、ガソリン車でも評価が分かれますね。では、BEVの2台、クーパーSEとエースマンについてはいかがですか?
西川 両BEVとも電気電気した加速感がなく、スロットルに対してちゃんとある程度のコントロール性を持っていて、パワーが出てくれてる。ただ、エースマンはJCWというのもあって、ちょっとアシが硬い。
村山 重さで言うと、エースマン(1760kg)は結構、重心の高さが仇になる感じがコーナリングで出てくるんですよ。3ドアのクーパーSE(1640kg)はエースマンより軽くて重心も低い。ガソリン車だとひょこひょこするんですが、SEはその重さで抑えられて、落ち着き感が増してるのがちょうどいい。古い価値観のクルマ好きにも割と納得できる感じの動きになってる。
吉田 そういう意味じゃ、クルマ好きとしての物の見方は、僕と村山くんはタイプが似てるね。ただ、クーパーSEは優等生感がありすぎるかな。ここまで小さくて重いとタイヤもすぐ減る。全開加速するとものすごい上手にホイールスピンするのも、そのうち危ないだろうとか、傷みやすいだろうとか、ネガティブな部分も見えちゃう。でも、ミニを欲しい人とクルマ好きが考えてることって違うから。そういう意味では、今ミニを買うなら、もうガソリン車じゃなくてBEVなんじゃないの? っていう感じがすごいします。
佐藤 ホイールスピン、これは僕もすごい気になって。BEVは車重も重いし、パワーもあるし、タイヤへの負担は計り知れない。
西川 このあたりは、今後の課題かもしれませんね。