東京オートサロン2026の見どころは、ド派手に改造されたカスタムカーの数々だろう。今回は静岡工科自動車大学校ブースで展示されていた「CM4 “Drag Edition”」を紹介する。
真面目なセダンをドラッグレーサーに
静岡工科自動車大学校といえば一昨年の東京オートサロンにて、草むらから救出したホンダ・ストリートのボディをワイド&ローに仕上げた「HOT ROTY(フォーミュラ隼のエンジンを搭載)」を披露。
さらに昨年は、三菱 eKクロスEVをベースとした「モンスターEK X」では、圧巻の全高20インチ(約50cm)アップを実現。内燃機関のモンスタートラックに負けない迫力を有し、見事、東京国際カスタムカーコンテスト2025ドレスアップ・コンパクトカー部門 最優秀賞を受賞してみせた。
そんな静岡工科自動車大学校が、今年もやってくれた。なんと、ボディエンジニア専攻科の学生たち16名が、タクシーや教習車両として馴染み深いトヨタ・コンフォートをベースとしたスポーティかつワイルドなドラッグレーサーを制作したのだ。
CM4 “Drag Edition”

1970年代のアメリカ車をテーマとし、ノーマルフェンダーでリム幅13Jのワイド・ホイールを飲み込んでいるカスタムカーの名は「CM4 “Drag Edition”」だ。
リアにシボレー・カマロのテールランプを移植しているがプリムス・ロードランナーをイメージしたのだという。コンフォートを英語で書くとComfortになるため、それを略して「CM4」とし、ドラッグレーサー風に仕上げたので「Drag Edition」を付けたのだという。
まず内外装の取り外しからスタートし、チョップドルーフにするためにルーフとピラーをカット。ルーフは延長したが、エンジン付きの実動コンフォートと外装だけのコンフォートを用意していたのでニコイチで制作した。
4ドアから2ドア・クーペにするためにピラーを後退させ、それと同時にドアもニコイチで拡大。ルーフやドアは溶接で延長、拡大している。

リアの形を造る作業に進み、なだらかで伸びやかなラインにするために、この段階ではパテを使用。美しいラインになるように、ときには鉄板を貼ってさらに形を整え、リアの窓も新設した。
ボディの形ができてきたところで塗装の前段階としてサフェーサーで下地を処理。ドラッグレーサーとしての理想のデザインを再現するため、フェンダーとボンネットはFRPやウレタンでイチから制作した。前後バンパーは純正品をカットして使用している。
外装と内装の質感に合わせ、フルバケットシートを導入したが、メタル製であることにこだわり、鉄板をひとつひとつ溶接でつなぎ合わせて個性的なワンオフメタルシートを完成させた。

リアに29×11-15という極太サイズのHOOSIERドラッグスリックタイヤと15×13JのWORK MEISTER CR01ホイールを取り付けるので、アクスル・デフのナロー加工が必要となったが、片側180ミリ短縮でタイヤがフェンダーからハミ出ないようにした。
サスペンションはフロントがTEINの車高調を加工して取り付け、リアがトラックスジャパン製エアサスをベースとしてワンオフ制作したというスペックだ。
フロントタイヤは22.5×5.5-15サイズのHOOSIERロードレース・スリックで、15×5.5JサイズのWORK MEISTER CR01ホイールを組み合わせている。

フレームやエアサスのユニットが見える内装は、細かいチッピング塗装、カラー塗装、粗いチッピング塗装という3つの工程で塗り、ボディはサフェーサーの上に下地として普通の赤を吹きつつ、レクサスの3T5を塗布。
その上にラメ入りクリアを3回、ベーシックなクリアを7回吹いてキレイなキャンディ塗装に仕上げている。運転席は半艶消しブラックで塗装し、コックピット感を強めている点がポイントとなる。
きっと来年も静岡工科自動車大学校ボディエンジニア専攻科の学生さんたちが、来場者を驚かせるカスタムカーを製作してくれるだろう。
文・写真=高桑秀典
(ENGINE Webオリジナル)