2026.01.23

CARS

”油改電”じゃ…ダメ⁉︎ 新型マツダ「EZ-60」に現地試乗、VISION X-COUPE風の中国専売BEVは反撃の狼煙となるか

2024年登場の「EZ-6」に続く、長安汽車との共同開発BEVである「EZ-60」。

全ての画像を見る

意外にも硬派な乗り味

中国の自動車メディア「AUTO九局下半」の協力のもと、EZ-60を首都・北京の北部にあるクローズドコースにて、一般道と同等の速度域で試乗することができた。

advertisement


昨今の新興メーカーはファミリー向けSUVですら出力をいたずらに高め、運転に不慣れな人には扱い切れない400~500hp近い性能を自慢しがちだ。一方でEZ-60も日本車の感覚すれば高出力だが、新興勢に比べるとかなり弁えたものとなってている。



加速特性もアクセルの踏みはじめはマイルドに抑え、踏んだ分だけリニアに加速していく印象だ。ブレーキはマツダ車らしくコントローラブルな踏み心地だが、フロントキャリパーが片押し1ポットと、もう少し制動力を強めても良いのではないかと感じた。

足回りは意外にもかなり硬く、段差を乗り越える際の衝撃はまるでスポーツカーのようだ。ただ、新興メーカーにありがちな経験不足からくる未熟なセッティングではなく、スポーティな人馬一体感を目指したものだと感じ取った。リアシートに座るとフロントほどの硬さを感じなかったので、同乗者に向けての乗り心地もきちんと考慮されている。



試乗コースは曲がり角の多い狭い路地もあったものの、EZ-60は1935mmの車幅を感じさせずにスイスイと取り回せる。デジタル・アウター・ミラーは確かに遠近感を掴みにくいが、いったん慣れてしまえばそこまで気にならなかった。

インストルメント・パネルは先述の通り廃止されているため、車速や航続距離、バッテリー残量などはセンター・ディスプレイの左上、もしくはヘッド・アップ・ディスプレイで確認する。



中国でウケるBEVを邦貨換算約270~370万円で実現したのは衝撃的だった一方、筆者自身の中で消化し切れない部分も多くある。

従来のマツダ車が持つ良さは、多様な材質を用いたリビングのようなリラックスできる内装空間にもあると筆者は思う。少し過剰とも言える物理ボタンの多さもユーザーの利便性を想う設計で、その思想は独特な押し心地にも現れている。

EZ-60では内装に合皮を使用しコストは削減できたかもしれないが、マツダらしいアイデンティティは感じられず、とにかく流行を取り入れた「中国市場における模範解答」で没個性に映った。

筆者のモヤモヤをよそに、EZ-60は発売初月には3317台を販売。最新データの12月でも3123台と、EZ-6を上回る台数を記録し好調なようだ。

長安マツダは今後も共同開発EVを第3弾、第4弾と投入予定なのに加え、EZ-60を欧州向けに「CX-6e」として輸出するとも先日発表したばかり。EZ-6も遅れて発売された欧州では評判が良いようで、長安汽車との提携はマツダの電動化を進める重要なファクターのひとつと言えるだろう。

■マツダ EZ-60 純電 600 Max
全長×全幅×全高 4850×1935×1620mm
ホイールベース 2902mm
トレッド(前/後) 1643/1652mm
車両重量 2180kg
駆動用モーター MSED08型永久磁石同期モーター
バッテリー容量 77.94kWh
モーター最高出力 254hp(190kW)
モーター最大トルク 290Nm
トランスミッション 1速固定
サスペンション(前) マクファーソンストラット
サスペンション(後) マルチリンク
ブレーキ(前) ベンチレーテッドディスク
ブレーキ(後) ディスク
タイヤ(前後) 235/55R19、255/40R21(オプション)
車両本体価格 16.09万元(約365.2万円)

文=加藤ヒロト 写真=加藤ヒロト/マツダ

(ENGINE Webオリジナル)
タグ:

advertisement



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement