2026.04.25

CARS

【試乗記】極上のアルカンターラの手触りに思わずうっとり 進化したピュアスポーツ、マセラティMCプーラのオープン・モデルに試乗 

マセラティMC20の後継モデル、MCプーラが日本上陸。 同じ袖ヶ浦フォレストレースウェイで2年前にMC20のオープン版、チェロを試乗した藤原よしおが、MCプーラの進化を探った。

オーナーでもない限り、パッと見でマセラティMC20とMCPURA(MCプーラ)を見分けることは難しいかもしれない。でも良く見るとフロント・インテークの形状がMC12を彷彿とさせるラウンド状からエッジの効いたデザインになった。さらにフロント、サイド、リア下のブラックアウトしたパネルが光沢仕上げとなり、リア・ディフューザーのフィンも増え、エアロダイナミクス性能も向上をみせているという。

一方コクピットは、インナードア、ダッシュパネルなど各所にアルカンターラが張られ、高級GTに相応しい雰囲気にアップデート。また上下部分がカットされメーターの視認性がアップするとともに両手を操作性のいい9時15分の位置で握れるようにした新設計のフラットトップ&ボトムステアリングを採用するなど、色々と変わっている。

しかしながら基本構造の部分、ダラーラ製カーボンファイバー・モノコックも、ミドシップの630psを発生する3リッターV6DOHCツインターボ“ネットゥーノ” エンジンも、前後ダブルウィッシュボーンのサスペンションも変わっていない。

何かを見つけた!

今回試乗したオープン・バージョンのMCプーラ チェロの車両重量は1560kg。ということでクーペ、オープン問わず車重も、パワーも、骨格もMC20とほぼ同じ。じゃあ、乗っても何も変わらないのか? というと、2年前に同じ袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗したMC20チェロとは確実に「何か」が違う。具体的に「ここが」と断言しにくいのがなんとも歯痒いところだが、MC20は見た目も実際のタッチもスパルタンなスポーツカーなのに、攻め込んでいくとBEVモデルとの両立を考慮していたせいか、軽めのアシストのステアリングや、フロントの接地感、ブレーキのタッチにどこか不自然さを感じる部分があったのは確かだ。

ところがMCプーラではその感触が見事になくなっていた。具体的なポイントを指摘できないのが歯がゆいところだが、MC20から進化する過程でパワートレイン、シャシー、サスペンションのバランスポイントを「見つけた」感じがするのだ。

そしてもう1つ気づいたのは、クローズド状態よりオープンにした方が、クルマの動きにまとまりが出てフォーカスがピタッと合うことだ。当然いくぶんか車体剛性が落ちるのだろうが、袖ヶ浦のコースを走る限りその影響はほとんどなく、クーペよりも85kg重くなる要因の1つである大きなグラスルーフが頭上からリア・トノカバー下に収まる方が効果が大きい。

もちろん、ネットゥーノ・エンジンのレスポンスの良さと扱いやすさは相変わらず。ということで、今回のアップデートで内燃機を搭載したマセラティのピュア・スポーツモデルが生き残ったことを、我々は素直に喜ぶべきではないだろうか。

文=藤原よしお 写真=マセラティ・ジャパン

(ENGINE2026年4月号)
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