2026.04.07

CARS

往年のレーシング・カーが蘇って公道仕様も登場!【16台のみ】0-100km/h加速2.5秒で最高速322km/hのロード・バージョンの名は「ローラT70 GT」

名門ローラが復活! 最新作「T70S GT」は公道も走れる!?

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エリック・ブロードレイが生んだ名門コンストラクターの名を受け継ぐローラが、黄金時代を築いたレーシング・カー「T70」を再構築した。

見た目はシックスティーズだが中身は最新!


新たに「T70 S」として現代に蘇らせるとともに、公道走行可能な「T70S GT」もラインナップする。



オリジナルの「T70」は、かの「フォードGT40」の原型となったマーク6に続き開発されたレーシング・カー。1964年にオープン・ボディが完成し、その後にクローズド・ボディの「T70マーク3B」が登場。1969年のデイトナ24時間で1-2フィニッシュを飾るなど、輝かしい戦績を残した。





1958年にイギリスのブロムリーで設立されたローラは、2012年に経営破綻し、カナダのマルチマティックが買収される。その後、2022年に実業家のティル・ベヒトルスハイマーへ譲渡され、ふたたびイギリス人オーナーのもとで活動を開始。ヤマハと提携してのフォーミュラE参戦と並行して進められたのが、今回の現代版「T70」の開発だった。



そうして生まれた「T70 S」は、姿形こそ60年代のスポーツカー・レーサーだが、中身は先進技術が注ぎ込まれた。たとえばボディ・ワークは、ローラ・ナチュラル・コンポジット・システム(LNCS)と銘打った、石油化学製品を用いない素材で構成されている。

植物や火山岩を原料とした天然繊維と植物由来レジンで構成され、自動車産業やモータースポーツの世界において、エコ複合素材の新たな指標となることを目指して開発されたLNCS。引っ張り強度や剛性は、グラスファイバーやほかの天然繊維を用いる複合素材を上回るという。

また「T70」でも用いられたAZ91Eマグネシウム合金は、太陽光発電の電力を用いて海水から抽出。鋳造も、環境に配慮した工程で行われる。こうしたサステナビリティへの配慮は、ベヒトルスハイマーの本業が再生可能エネルギー事業向けの投資会社だという点に関係しているのだろう。



エンジンは「T70」がそうであったように、アメリカンV8を搭載。シボレー製スモール・ブロックで、サーキット・スペックの「T70 S」は排気量5リットルで最高出力/最大トルクは537ps/576Nm。



ストリート・リーガルな「T70 S GT」は6.2リットルで507ps/617Nm。トランスミッションはヒューランド製で、T70Sは5段、GTは6段だ。



全長4225mm、ホイールベース2432mmと、現代のレースカーはもちろん、市販スポーツカーと比較しても小ぶりなボディを支えるのは、アルミのモノコック・シャシーで、車両重量は「T70 S」が860kg、「T70 S GT」が890kg。驚異的な馬力荷重比を達成しており、0-100km/h加速と最高速度はそれぞれ2.5秒/327km/hと2.9秒/322km/hだ。




前方へ跳ね上げる特異なドアを開くと、シート幅と同じくらいのサイドシルと、中央に寄せられた2座、右ハンドルに右シフトのコックピットが現れる。

レイアウトは「T70 S」、「T70 S GT」どちらの仕様も同一だが、アルミ剥き出しの前者に対し、後者はスウェード調素材のトリムで覆われる。さらに、やや大きくなったスイッチやヘッドレスト、エアコンやささやかな小物入れといった、公道走行向けのユーザビリティを高めるアイテムが追加されている。



価格は未公表だが、生産台数は両仕様合わせて16台とのこと。手に入れられずとも、街なかを走る姿を想像するだけでも心躍るような、じつに夢のあるプロジェクトではないか。

文=関 耕一郎 写真=ローラ 編集=上田純一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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