2026.05.11

CARS

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継承される王者のDNA PHEVカテゴリー国内販売台数No.1の三菱アウトランダーPHEVに試乗

モータージャーナリストの投票によって「いま買いたいクルマ」100台のランキングを決める、雑誌『ENGINE』の恒例企画、「ENGINE HOT 100 NEW CARS」。この通称エンジン・ホット100のなかで、ここ数年、三菱アウトランダーPHEVが高評価を得ていることをご存知だろうか。

年によって順位は上下するが、昨年夏の2025年版のホット100では9人のジャーナリストが票を入れ、全体の52位にランクインした。ちなみに55位にはメルセデス・ベンツのGクラス、60位にはレンジローバーがいる。



さらに現行型がデビューした際のランキング(2022年版)はもっと印象的だ。総合順位は なんと27位で、13人ものジャーナリストが投票している。

純粋に欲しいがどうかがテーマのジャーナリストたちによるランキングで、アウトランダーPHEVが欧州プレミアム・ブランドのSUVを抑えて高く評価される理由はどこにあるのか。最上級グレードのP Executive Packageに試乗して、改めてその魅力を探ってみることにした。


クルマづくりの技術と哲学

一意専心。ひとつのことに力をそそぐことを意味する言葉だが、久しぶりにアウトランダーPHEVに乗ってみると、クルマづくりにとってひとつの技術を磨くこと、ひとつの哲学を持ってつくり続けることがいかに大切かがよくわかる。

たとえばクルマの質感、特に高い質感をつくり出すのは一長一夕には行かない。単に高価な素材を使えば済むというものではなく、それを使いこなすには技術と経験の蓄積が必要になる。しかもその質感にオリジナリティ、つまり味を加えようとするなら、豊かな創造力も不可欠だ。





今回あらためて試乗してまず感心したのは、アウトランダーPHEVに高い質感とこのクルマならではの味があることだった。

たとえばもしディーラーで触れる機会があったら是非ドアの開閉を試してみて欲しい。しかもそれは外からではなく、お薦めの場所はドライバーズシートだ。

引き寄せるドアのえもいわれぬ重量感と、閉じた瞬間のラッチにおさまるソフトな感触。そしてその後おとずれる静寂。顔料と染料を使う手の込んだ手法で仕立てたセミアニリン・レザーシートの革本来の感触と柔らかな掛け心地。視線の高さとドライビング・ポジションは異なるが、室内の居心地の良さや手で触れる質感はまるで高級サルーンだ。





このSUVとサルーンの快適性を融合したコンセプトが、アウトランダーPHEVをオフロードやアウトドアのイメージだけではない、都会的でモダンなものにしているのは間違いない。しかし、実はそれにも増して今回の試乗でアウトランダーPHEVらしさとしてより強く印象に残ったのは、その登場からひたすら磨き続けてきた電気モーターによる走りそのものだった。

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ふたつのモーターの4WD

アウトランダーにPHEVモデルが加わったのは2012年。『i-MiEV』で培ったEV技術、『ランサーエボリューション』で鍛えた4WD技術、『パジェロ』で築いたSUVのノウハウを結集した、SUVタ
イプとしては世界初のプラグインハイブリッド車として登場した。





アウトランダーPHEVが稀有だったのは、バッテリーに電力があるときはEVのようにモーターで走る一方で、残量に応じてエンジンを発電専用として動かし、その電力も使ってモーターで走行するシリーズ走行と高速走行時などは効率の良いエンジンの駆動を主体に走行できるパラレル走行モードを賢く使い分け、前後2つのモーターで優れた加速を実現できたことだ。

当時の印象は、小さなi-MiEVではなく大型SUVをモーターで走らせるという大胆なアイディアに驚き、乗ってみてさらに驚いたことを覚えている。スムーズでシームレスなツイン・モーターの走りは力強く、優れた燃費と長距離走行能力は舌を巻いた。



今回試乗したのは、2021年にフルモデルチェンジした2代目のモデルで、さらに2024年に大幅な改良を受け、プラグインハイブリッドの要とも言える駆動用バッテリーを刷新し、総電力量を20kWhから22.7kWhまで高めている。これにより、EV走行換算距離を83kmから102km(Pグレード)に伸ばしたほか、システム全体の出力も約2割アップした。

その違いは走り出した瞬間にわかる。明らかにモーターの力強さが増している。車重は2tを超えるが、加速は軽快で重々しさは感じない。4輪すべてが常に路面を捉えて力を伝える感覚があるからだろう。FFや前輪が滑ってから後輪が駆動するスタンバイ4駆とは、加速の立ち上がりの力感がまるで違う。姿勢変化が少なく、そのままスッと前に出る感じには、力強さと同時に4輪駆動ならではの安定感がある。



速さが増しているのはもちろんだが、それ以上にアクセル操作に対する反応も向上しており、おかげで走りにはまるで大排気量エンジン車のような余裕がある。十分なパワーとトルクがあるとクルマにもドライバーにも余裕が生まれ、それは日常の運転はもちろんロングドライブでも大きく影響する。優れたグランドツアラーには必須の要素だ。大陸間の長距離全負荷走行を前提とする欧州車はそこが優れているが、試乗したアウトランダーPHEVにも同じ懐の深さが感じられた。

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パジェロとランエボの伝説

考えてみれば三菱は、4WDによる力強く安定感のあるクルマづくりをずっと追求してきたメーカーだと言える。三菱の4WDと言えば、思い出すのはパジェロの存在だろう。まだSUVという言葉さえない1980年代と90年代、クロスカントリー用の4輪駆動車をオフロードのくびきから解放し、オンロードとオフロードを行き来できる新たなレジャービークルとして誕生したのがパジェロだった。

そんなパジェロの4WDを磨き鍛える舞台として三菱が選んだのがパリ・ダカール・ラリーだ。そこではレンジローバーやポルシェやプジョーなど欧州の名だたるメーカーのワークス・チームがライバルだったが、1985年、ついにパジェロはその頂点を極め、その後も幾多の勝利を重ねることになる。

そして三菱には4WDにまつわる重要な伝説がもうひとつある。かつて世界ラリー選手権(WRC)をトミ・マキネンが4度制覇したランサー・エボリューション(ランエボ)のストーリーだ。当時、高速4WDが全盛となりつつあったWRCの舞台で、三菱は実戦を通して前後のトルク配分と4輪のトラクションをコントロールする技術を磨き続け、やがてそれは世界最高峰のAWD技術と言われる電子制御のS-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)として結実する。



アウトランダーPHEVが搭載する最新世代のS-AWCの凄さは、試乗で訪れた箱根のワインディングを走ってみると一目瞭然だった。とにかくハンドリングが素晴らしい。ステアリング操作が自然でクルマが自ら曲りたがっているかのようだ。コーナーの手前でブレーキング、ステアリングを切るとロールが始まり、脱出とともに加速するという一連の流れのなんとスムーズなことか。まるで路面に描かれたラインに導かれたようなコーナリングは清々しくさえある。

速度を上げて攻めてみると、フロントが85kWでリアが100kWというリア寄りのモーター出力が、いかに旋回能力を高めているかがわかる。S-AWCの制御の、常に最適で最大の前後トルク配分による高い駆動力と旋回能力が発揮されるからだろう。高めの速度でコーナーに進入したとしても舵角は一定で速度も維持したまま、強力にリアが押し出し、それをフロントが引っ張る感覚でグイグイと曲がってくれる。これはもう異次元のコーナリングというほかない。



こうしたハードなコーナリングを試みても、しなやかな足回りが悲鳴を上げないことも驚きだった。これもS-AWCの恩恵だろう。4輪に常に最適な駆動力を与えて車両姿勢も含めてコントロールすることができれば、必要以上にサスペンションを固めなくても済む。ボディの高い剛性感とこのしなやかなサスペンションが生み出す乗り味には、欧州プレミアム・ブランドと同等の質感があると思った。

前輪と後輪をそれぞれ別々のモーターで駆動するアウトランダーPHEVには、機械的に前後をつなぐ動力伝達装置はない。4輪を個別にセンシングした情報とあらゆる車両データを瞬時に解析し、モーターがドライバーの要求に応じて意のままに反応する。言葉にすると簡単だが、これは驚異的な技術だ。



EVを軸とした100年に一度の大変革期にあるいま、伝統の技術を最新のクルマに生かすには想像を絶する難しさがあるはずだ。しかし、三菱のエンジニアたちはアウトランダーPHEVでそれをやってみせている。モータージャーナリストたちがエンジン・ホット100でこのクルマを高く評価するのは、その難しさをよく知っているからに違いない。

今回試乗して、アウトランダーPHEVのDNAにはi-MiEVとランエボとパジェロが時系列で並んでいることがわかった。そしてそれぞれを強く結びつけているのは間違いなくエンジニアたちの情熱だ。さらにこの先の近い未来では新しい技術を備えたニューヴィークルの登場も控えている。それは僕たちにどんな物語を示してくれるのか。語れるストーリーがあるクルマは、ほんとうに素晴らしい。

文=塩澤則浩 写真=望月浩彦

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(ENGINE Web オリジナル)
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