本田技研工業は5月21日、BEVのニューモデルとなる「スーパーワン」を発売した。2025年10月のジャパンモビリティショー2025で公開されるや否や、大きな話題を呼んだ注目のコンパクトBEVは果たして市場にどのように受け入れられるのか。
既に7000台の先行予約を受付
「e: Dash BOOSTER(イー・ダッシュ・ブースター)」をグランドコンセプトとする新型スーパーワンは、軽乗用BEVである「N-ONE e:」をベースに、専用のシャシーの採用や足回りなどにチューンを施した新感覚のスポーツBEVだ。

エクステリアでは迫力あるブリスターフェンダーが眼を引く。40mm拡大されたトレッドと合わせて、かつて1983年にホンダが発売した「シティターボII」を彷彿とさせるワイド&ローなスポーティな雰囲気を演出している。

基本的なパワートレインやバッテリー容量はN-ONE e:と共通となるが、ステアリングに設置された「BOOSTモード」ボタンを押せば、モーター出力が47kW→70kWにアップ。
さらに車内には、BOSE社製のスピーカーからエンジン車さながらのサウンド(アクティブ・サウンド・コントロール)が響き渡るほか、DCTのような有段シフト制御も入り、BEVでありながらスポーティーなエンジン車を操るような運転感覚を味わえる。

車重は1090kgと、バッテリーで重くなりがちなBEVとしては軽量で、それも運転の楽しさにつながっているのだという。一充電航続距離は274km(WLTCモード)となっており、実走行が6〜7割としても約180km程度は走る計算なので、通勤や普段使いの足としても十分なスペックだろう。
そして注目なのは車両価格で、ベースは339万200円となるが、各種自治体の補助金が使用可能だ。国の自家用CEV補助金は130万円とアナウンスされており、既にこの時点で実質209万円での購入が可能だが、さらに東京都に居住の場合、都のZEV補助金が60万円プラスされる。つまり実質購入価格は150万円となり、軽自動車のN-ONEよりも安いという逆転現象が起きてしまっている。
さらに、自宅ソーラーパネルやV2Hの設備があると、追加の補助金が得られるケースあるようで、詳しくは各ディーラーや自治体の担当窓口に相談してみるといいだろう。

なお、今回の発表会にはスーパーワンの開発陣のほか、MCとしてフリーアナウンサーの安東弘樹さん、ゲストとしてタレントの若槻千夏さんが登壇。レトロで可愛らしいデザインは若い世代にも受け入れられそうと評価。また補助金を用いた実質販売価格については「EVは高い、というイメージを覆す価格」とコメントしていた。

4月16日から行われていた先行予約では既に7000台を受け付けたと発表。購入層はメインターゲットとなる50代男性が中心だそうだ。なお、このスーパーワンは日本以外でも今後1年以内にイギリスや東南アジアでも発売される予定だという。
また、ホンダは2028年には人気のハイトール軽ワゴン「N-BOX」のBEV版も投入予定。既存のN-VAN e:、N-ONE e:と合わせ、日本市場に合わせた“ホンダらしい”BEVを展開していくという。ゼロシリーズの開発中止など悲観的なニュースが続いたホンダだが、このスーパーワンの登場は久々に明るいニュースと言えるかもしれない。
文・写真=ENGINE編集部
(ENGINE Webオリジナル)