2026.05.26

CARS

フェラーリ初のEVとなったルーチェは、身内のプロサングエや仮想敵のポルシェ・カイエンEVを蹴散らせるのか スペックから紐解く

フェラーリが初めてレースで勝利を収めた5月25日に、その場所であるイタリア・ローマでワールドプレミアが行われた、フェラーリ初のEVとなるルーチェ。フェラーリ、そしてEVの未来を変えるかもしれないダイヤモンドであると同時に、フェラーリとスーパースポーツにおけるEVの未来を占う試金石となるかもしれない。

ルーチェの全容をあぶりだす


ここでは、そんなルーチェをボディサイズやパワートレインの出力、走行性能について、スペックの面から紐解いていく。ルーチェの全容をあぶりだすにあたって、同じフェラーリで4ドアSUVスタイルを採るプロサングエと、今ルーチェに一番近い存在となるSUVスタイルのEVであるポルシェ・カイエン・エレクトリックに比較対象として登場してもらった。では、まずはボディサイズから見て行こう。


ボディサイズ


全長×全幅×全高:5026×1999×1544mm
ホイールベース:2961 mm
トレッド(前/後):1696/1690 mm
⾞両重量:2260kg(オプション装着時)
パワーウェイト・レシオ:2.16 kg/ps
重量配分(前:後):47:53
タイヤサイズ(前/後):265/35 R23/315/30 R24
ホイールサイズ(前/後): 9.5J/11J

ボディサイズは、プロサングエよりも53mm長く、29mm狭く、45mm低い。カイエンに対しては41mm長く、19mm広く、130mm低い。プロサングエよりもカイエンに近いが、本格的なSUVのカイエンよりもかなり全高が低いのが特徴。プロサングエを含め、フェラーリがSUVではなく4ドア・4シーターのスポーツカーと名乗る由縁だ。なお、ホイールベースはプロサングエとカイエンのどちらよりも短い。

特筆すべきは車両重量。121kWhという大容量の駆動用バッテリーを搭載しながらプロサングエの227kg増に抑えていることも驚きに値するが、カイエンの高出力版と比べると450kg以上も軽いのである。しかも、カイエンの方がバッテリー容量が小さく、モーターの数が少ないにもかかわらずだ。フェラーリがアルミ製の多用し、車両重量にこだわった成果の賜物だと言えるだろう。

なお、タイヤサイズは前輪が23インチで、後輪になんと24インチを履く。プロサングエが前22インチ、後23インチだから、さらにひと回り大きくなったことになる。


パワートレイン


電気モーター数:4基(各輪1基)
システム最⾼出⼒: 1050ps/772kW(ローンチ・コントロール使⽤時)
システム最⼤トルク(モーター計測値):990Nm(ローンチ・コントロール使⽤時)
システム最⼤トルク(ホイール計測値):11500Nm

ルーチェの走り関わる機能面で最も大きな特徴といえるのが、各車輪に1基ずつ、計4基備わるモーターだ。4輪の出力を合わせたシステム総合出力はローンチ・コントロール使⽤時で1050ps/999Nm。プロサングエの725ps/716Nmを軽く上回るのはもちろんのこと、最高出力についてはスーパースポーツの849テスタロッサと同値だ。

ただし残念ながら、カイエン・エレクトリックの最強仕様であるターボ・エレクトリックの1156ps/1500Nmには届いていない。もちろん、出力の大きなモーターを搭載すればその分車両重量が重くなることは避けられないので、フェラーリはその辺のバランスを取った結果だと思われる。それよりも4輪を個別制御することで走行安定性や操縦性の向上を図れるメリットは大きいはず。


走行性能


0–100 km/h加速:2.5秒
0–200 km/h加速:6.8秒
最⾼速度:310 km/h
航続距離:530 km(推定値 ホモロゲーション取得申請中)

パワートレイン同様、走行性能もスーパースポーツ級だ。プロサングエの0–100 km/h加速:3.3秒、0–200 km/h加速:10.6秒もこの手のSUVスタイルを持つモデルとしてはかなり驚異的な数値だが、ルーチェはそれを軽く上回る。純然たるスーパースポーツの849テスタロッサが叩き出す0–100 km/h加速:2.3秒以下、0–200 km/h加速:6.35秒(クーペモデル)には及ばないものの、12チリンドリの2.9秒と7.9秒(クーペモデル)を凌ぎ、フェラーリのカタログモデルとしては2番目に速いパフォーマンスを有している。

カイエン・ターボ・エレクトリックは車重がルーチェより重いものの1156ps/1500Nmの超高出力のおかげで、0-100km/h加速はルーチェと同値の2.5秒。ただし、0-200km/h加速は7.9秒とルーチェの後塵を拝している。



文・編集=新井一樹 写真=フェラーリ

(ENGINE WEBオリジナル)
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