2026.07.30

CARS

ベントレー「ベンテイガ・スピード」と「コンチネンタルGT S」にTHE MAGARIGAWA CLUBで乗る|優雅さの上に積み上げられた“走る歓び”

ベントレー「ベンテイガ・スピード」と「コンチネンタルGT S」に試乗した

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運転する歓びを再び語り始めたベントレー。その変化を、ENGINE編集部のサトウが千葉県のTHE MAGARIGAWA CLUBで確かめた。

優雅さに、刺激を

優雅さに刺激を──。今期のベントレーを見ていると、そんな言葉が頭に浮かんで来る。もちろん、本国クルー工場の職人たちが仕立てるラグジュアリーや、長距離を優雅に移動するグランドツアラーとしての魅力が失われたわけではない。ただ、ベントレーはその上にもうひとつ、価値を再認識させようとしているように思える。それが高級スポーツカーメーカーとしての顔だ。

まさにその変化を確かめることができたのが、千葉県のTHE MAGARIGAWA CLUB(以下、マガリガワ)での、コンチネンタルGT Sとベンテイガ・スピードの試乗であった。

ベースグレードとGTスピードの中間に位置する「GT S」。

最初に乗ったのはコンチネンタルGT Sだ。これはベースグレードとGTスピードの中間に位置するスポーティ仕様である。グリルなどのディテールを黒くした「ブラックラインスペック」や、スポーツエキゾーストを標準装備して、見た目からしてスポーツ色が濃い。さらにシャシーにはGTスピードと同じ「ベントレー・パフォーマンス・アクティブ・シャシー」が与えられている。

コースインしてすぐ、その意味が理解できた。ターンインから立ち上がりまでの一連の動きに無駄がない。大柄なGTカーでありながら、フロントが素直に向きを変え、アクセルを踏み込めばリアタイヤが路面をしっかりと蹴り出していく。マガリガワのようなアップダウンの大きいコースでは、こうしたシャシー性能の高さがよく分かる。

パワーユニットは4リッター V8ツインターボ+モーターによるハイパフォーマンスなハイブリッド仕様で、680ps/930Nmを発揮する。

特に印象的だったのは、クルマ全体の一体感だ。4リッターV8ツインターボとモーターを組み合わせたハイブリッド・システムは680psを発揮するが、その数字以上にクルマ全体がひとつの塊として動く感覚がある。なるほど、これはGTスピードの弟分というより、GTスピードの思想を受け継いだモデルなのだと納得した。

でも正直に言うと、このクルマの走りには驚かなかった。速いし気持ちいい。でもそれは、コンチネンタルGTに期待する範囲の延長線上にあったからだ。むしろ驚かされたのは、次に乗ったベンテイガ・スピードのほうだった。全長5144mm、車重2470kg。数値だけ見れば堂々たるラグジュアリーSUVである。ところが走り出した瞬間、その先入観は崩れ去ってしまうのだった。

2023年モデルでW12気筒エンジンを積んだベンテイガ・スピードがリリースされた後、しばらくは設定がなかったが、2026年モデルで「スピード」が復活。

まず足まわりがいい。今回の試乗車は、23インチホイールにカーボンセラミックブレーキを組み合わせた仕様だった。サスペンションの減衰特性は15%引き締められているというが、ただ硬いわけではない。路面をしなやかに捉えながら、コーナーではSUVらしからぬフラットな姿勢を保ってくれる。

アップダウンのあるコーナーを駆けぬけてもボディの揺れは最小限。SUVというより、大柄なスポーツクーペに近い感覚だ。もちろん、切り返しでは車重の大きさは感じる。でもそれが、不安につながることはない。強力なカーボンセラミックブレーキがしっかりと速度を受け止め、ターンインでは自然にノーズが向きを変える。アクセルを踏み込めば650psのV8ツインターボが豪快に車体を前へ押し出してくれる。その一連の動きは驚くほど自然で、マガリガワのコーナーを何度も走るうちに、私はあることに気づいた。

4リッター V8ツインターボは650ps/850Nmを発揮し、0-100km/h加速3.6秒、最高速度310km/hを誇る。

「これは、サーキットが楽しい!」それも、SUVとしては楽しいというレベルではない。純粋にスポーツドライビングが楽しいのである。でも考えてみればとても不思議な話で、静粛性が高く、後席も快適で、長距離移動では極上の移動空間となるラグジュアリーSUVが、同時にここまでスポーティな走りを実現しているのだ。しかも無理をしている感じがない。正にこれこそが、今のベントレーが目指している姿なのだろう。

マガリガワで見えたのは、優雅さの上に走る歓びを積み上げようとする、今のベントレーの姿だった。

ベントレー「ベンテイガ・スピード」と「コンチネンタルGT S」にTHE MAGARIGAWA CLUBで試乗した

ベントレー・ベンテイガ・スピード

駆動方式 フロント縦置きエンジン+四輪駆動
全長×全幅×全高 5144×1998×1728mm
ホイールベース 2995mm
トレッド(前/後) 1698/1710mm
車両重量 2470kg
エンジン形式 V型8気筒DOHC32V+ツインターボ
総排気量 3996cc
最高出力(モーター) 650ps/6000rpm
最大トルク(モーター) 850Nm/2250-4500rpm
トランスミッション 8速AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/エア
サスペンション(後) マルチリンク/エア
ブレーキ(前後) ベンチレーテッドディスク
タイヤ(前後) 285/35ZR23
車両本体価格(税込) 3408万円

ベントレー・コンチネンタル GT S

駆動方式 フロント縦置きエンジン+四輪駆動
全長×全幅×全高 4895×1966×1397mm
ホイールベース 2851mm
トレッド(前/後) 1668/1657mm
車両重量 2459kg
エンジン形式 V型8気筒DOHC32V+ツインターボ+モーター
総排気量 3996cc
最高出力(モーター) 680ps/6250rpm(190ps)
最大トルク(モーター) 770Nm/2300-4500rpm(450Nm)
トランスミッション 8速DCT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/エア
サスペンション(後) マルチリンク/エア
ブレーキ(前後) ベンチレーテッドディスク
タイヤ(前後) 275/35ZR22
車両本体価格(税込) 3537万円8000円

文=佐藤 玄(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正

(ENGINE2026年8月号)
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