自らステアリングを握るコクピットの住人=Cockpit Dwellerと、助手席のパートナーに贈る特集。クラシカルな三針モデルからアバンギャルドな新鋭まで。“ドライバーズ・ウォッチ”の競演をお楽しみあれ!
今回はヴァシュロン・コンスタンタンから、ドライバーズ・ウォッチの伝説的モデルの最新作を紹介する。
ヴァシュロン・コンスタンタン ヒストリーク・アメリカン 1921

クッション型ケースと垂直軸に対して45度に傾けたダイアルを組み合わせたユニークなデザインが特徴的な「ヒストリーク・アメリカン 1921」は、1920年代にアメリカ市場向けにごく少数が作られ、当時のドライブ愛好家に好評を博したことで知られる伝説のモデルを現代的に再解釈。これまでも異なる素材やサイズで発表されてきた同モデルの2026年最新作では、ピンクゴールドのケースと、マットな質感のグレイン仕上げシルバートーンダイアルを採用。パティーナ仕上げのダークブルーカーフレザーストラップもさり気なくヴィンテージルックを演出。手巻き。パワーリザーブ約65時間。3気圧防水。40mmモデル(写真)690万8000円。36.5mmモデル 572万円。
時を超えるタイムマシン|菅原 茂
多くのクルマ好きにとって興味深いアイテムのひとつが時計であるのはまず間違いない。目的に即した機能が備わるプロダクトでありながら、単なる道具を超えて趣味の対象になり、薀蓄を傾けるのもまた楽しい……そんなところがクルマと時計に共通する魅力なのだと思う。さて「ヒストリーク・アメリカン 1921」は、自動車の普及が始まり、腕時計が懐中時計に取って代わる1920年代初頭へと連れ戻す。アメリカ向けに作られたこの時計のオリジナルは、特異なデザインがハンドルを握るドライバーにとって見やすく、いわゆる“ドライバーズ・ウォッチ”の草分けという伝説が生まれた。当時のドライバーはどんな自動車を操縦し、時計をどのように腕に着けて使っていたのか、想像がふくらむ一方で、この現代モデルから得られるのは、洗練された趣味性と極上のラグジュアリー感。1世紀も前の過去と現在を行き来できる、これぞとっておきのタイムマシンだ。

ブルゾン187万円(ブルネロ クチネリ/ブルネロ クチネリ ジャパン Tel.03-5276-8300)撮影車両=レクサス LX700h(レクサスインフォメーションデスク Tel.0800-500-5577)
問い合わせ=ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755
写真=宇田川 淳
スタイリング=土田拓郎
グルーミング=勝間亮平
モデル=HENRI
文=数藤 健、菅原 茂
構成=小林尚史
(ENGINE2026年9・10月号)