ガズーレーシング(GR)はレーシングカートのGRカートを発売した。扱いやすさにこだわった入門用で、モータースポーツ参加の敷居を下げるべく、さまざまな工夫が施されている。
手軽にモータースポーツを体験
レーシングカートは、手軽にモータースポーツを体験できるカテゴリーであると同時に、数多くのトップレーサーを輩出してきたスポーツドライビングの基礎を学ぶ場でもある。レンタルでも楽しめるが、レーサーを志す子どもが本格的に腕を磨くには自前のマシンがほしいところ。とはいえ、入門者にとっては購入から運搬や保管、整備など参加へのハードルは多い。
参加のハードルを下げる
そこでGRカートは、トヨタのクルマづくりの知見も生かし、コストを削減しつつ、メンテナンスの負担減や、安全性や耐久性にも配慮して開発。たとえば全長×全幅×全高=1820×1160×670mmのサイズと83kgの重量は、分解せずにトヨタ・ノア級のミニバンに積載できることに配慮したもので、普段使いのクルマで運搬することを容易にした。
さらに、保管場所を省スペース化できるよう、立て置き可能な設計にしている。ガソリンやオイルを入れたまま車体を立てられるオイルキャッチタンクや給油口、キャブレターを採用している。
メインテナンスも省力化
キャブレターは4ストローク用に新開発したダイヤフラム式。フロート室を持たないため、コーナーなどで横Gを受けても燃料の液面変化が少ないというメリットもある。
プライマリポンプを装備し、始動前にキャブレターへ燃料を送る作業も簡単になった。また、215ccエンジンは自己充電式バッテリーを内蔵し、別体バッテリーの搭載や充電といった作業を排除している。
駆動系にはオートテンショナーを備えたベルト式を採用。張り調整を不要にし、チェーンのようなオイル汚れに悩まされることもない。錆びにくいステンレスのリアシャフトや、ガソリンによる劣化を抑えために燃料タンク内の配管に金属を用いるなどもメインテナンスの省力化に寄与する。
高い安全性を確保
安全面では、後続車が接触時に後輪への乗り上げを抑えるバンパーや、スロットルが開きっぱなしにならないようなワイヤーの固定方法、リヤハブ抜けを防ぐストッパーピンを導入。乗降性を高めるために上部に手をつく面を設けたシートは、熱されたマフラーに誤って触れるトラブルを起きにくくしている。
乗り手を選ばないドライビングポジション調整機構も特筆ものだ。ワンタッチ操作のペダルスライドとステアリングチルトを備えることで、身長135〜185cmに対応。1台をファミリーで共有して走行することも可能とする。
価格は38.5万円。新車ならば大人用カートで70万円台、子ども用のカデットカートでも50万円台を上回るものが一般的ななか、入門に適したプライスとなっている。販売は、7店舗のGRガレージや国内36か所のカートコースで実施する。
専用ECサイトでパーツ購入が可能
サポート体制も整備している。スペアパーツやツール、レーシングスーツなどは、楽天市場の専用ECサイトで購入可能。GRアプリでの座学・テストと、GRガレージやカートコースでの実技講習を組み合わせ、対応コースのライセンスに代わるドライバーパスポートを取得することもできる。
エントリーから維持まで、ビギナーが感じる壁を打ち破ろうという意気込みが随所に感じられるGRカート。そこにはモリゾウこと豊田章男会長の、モータースポーツが野球やサッカーのように多くの人が挑戦できるものであってほしい、という思いが詰まっている。

文=関 耕一郎 写真=GR 編集=新井一樹
(ENGINE Webオリジナル)