日産が、新型ローグ・ハイブリッドを発表した。今年4月に横浜の本社で開催した長期ビジョン発表会で公開したモデルの市販バージョンで、日本では次期エクストレイルとして販売される予定のモデルだ。
ビッグマイナーチェンジか?
今回、日産が発行したプレスリリースのファイル名には「P33C」との記号が記されている。現行型のローグおよびエクストレイル(T33型)の開発コードがP33Aだったことから推測するに、次期型は現行型RZ34型フェアレディZのように基本骨格は従来型から踏襲する、限りなくフルチェンジに近いビッグマイナーチェンジとなるようだ。
日本らしさを表現
そのためか、エクステリアは現行ローグ/エクストレイルに似たフォルムを有する。ここにワイドなスタンスと、日本らしさを表現したというデザイン要素を盛り込んだ。連続性を持たせたグリルとライトはエルグランドに通じる日産最新のモチーフだ。
フロントからサイドにかけては、幾何学的な面を組み合わせたプレスラインが印象的。欧州市場に投入される次期ジュークのポリゴン風デザインを思わせる。
北米にもeパワーが上陸
エクストレイルはすでにシリーズハイブリッドのeパワーを搭載しているが、従来のローグは2.5リッター直4の内燃機関仕様のみで、ハイブリッド需要には三菱アウトランダーPHEVのOEMモデルで対応していたが、新型はエクストレイル同様にe-パワーを採用。ただし、システムは現行エクストレイルの第2世代ではなく、最新の第3世代となる。
エンジンは、e-パワー専用開発の1.5リッターターボとアナウンスされている。42%という高い熱効率は、やはり第3世代e-パワーを積むエルグランドと共通するため、ZR15DDTe型3気筒とみて間違いないだろう。
全モデルが前後2モーターの4WD
全車とも、前後にモーターを搭載する電動4WDのe-4ORCEを標準装備。システム出力は225馬力(約228ps)で、現行エクストレイルより20ps以上のアップとなる。
ブレーキはアクセルペダルを戻すだけで停止まで減速するe-ペダルを採用。さらに、停止直前のブレーキ圧を自動制御するスムースストップにより、止まり方は自然でなめらかだという。
最新のプロパイロット・アシストを搭載
運転支援装置のADASは最新のプロパイロット・アシストとなり、新型ミリ波レーダーや広視野角カメラ、進化版ソフトウェアを組み合わせる。インテリジェント・クルーズコントロールは、前走車追従性能と低速域での挙動を改善し、停止車両の検知速度を33%向上。渋滞時のハンズオフ機能や車線変更支援機能も導入する。
インフォテインメント系は、12.3インチのタッチ画面が標準装備だが、Googleの生成AIであるGeminiに対応する14.3インチデュアルディスプレイ仕様を上位グレードのプラチナムに標準採用し、中間グレードのSRにオプション設定。プラチナムは10スピーカーのボーズ・プレミアムオーディオシステムも装備する。
ベンチレーションシートはローグ初
キャビンは前席頭上と足元がクラス最大級というスペースに、遮音ガラスなどで高めた静粛性や、身体への負担を軽減するゼログラビティシートやローグ初のベンチレーションシートによる快適性を併せ持つ。
後席ドアは約90度まで開放し、チャイルドシートは後席中央にも設置可能。荷室は大型スーツケースも積載できる容量を確保し、ファミリーカーとしてのニーズにも応える。
スタート価格は500万円超か
生産は日産自動車九州が担当し、2026年秋にSR AWDのSRテクノロジーパッケージ装着車、27年初頭にその他のグレードを米国市場へ発売する。価格は3万5490〜4万3490ドル(約559〜685万円)。
日産の今年度の想定為替レートは、現在の為替より円が強めの1ドル=150円。さらに日本生産ということも考慮すれば、次期エクストレイルはローグより価格を抑えられるはずだ。
それでも、4WDモデルで500万円前後からとなれば、現在より2割程度高くなり、しかもFFモデルの有無は不明。現行エクストレイルは9月3日の仕様変更でエントリーグレードのSとS e-4ORCEを廃止し、最低価格が引き上げられているが、次期型はより値上げを実感することになるのだろうか。

文=関 耕一郎 写真=日産自動車 編集=新井一樹
(ENGINE Webオリジナル)