シトロエンC3は、いま最も魅力的なコンパクトカーだと思う。「高級車の縮小版」や「ミニ高級車」に陥っていない。コンパクトであること、買いやすい値段であることのメリットを最大限に活かしている。大きく高級なクルマにはその良さがあって、小さく安いクルマには別の良さがある。同じ方向性で良いわけがない。でも、世の中にはC3のようなクルマが意外と少ないのだ。まず、カタチが良い。コロンッと丸っこいんだけど、ヘッドライトには最新のLEDでトレンドを押さえている。ボディ・カラーも明るい原色が多いだけでなく、シックで淡い色も揃っている。
特別に速いわけでもスポーティなわけでもないけれども、キビキビと良く走る。ボディ・サイドのエア・バンプは面白いアイデアかつアクセントになっているし、ドライブ・レコーダーを応用して運転中の画像を撮れて、それを専用アプリ経由でSNSなどにアップできるのも今日的で、良く世の中を観察している。今の人のクルマの使われ方を柔軟に取り込んで造られたのがC3だ。
うっかりすれば軽自動車とすら競合関係が成立しそうなスターティング・プライスを知れば、これまで「輸入車なんてとてもとても」と"食わず嫌い"をしていた人々の注目も一気に集められそうという、そんな価格の設定がまずは大きな魅力のシトロエンC3。初代、そして2代目とはガラリと趣きを変えた現行3代目の日本導入は2017年の7月から。すなわち、まだまだ当分は"最新型"としての賞味期間が続きそうなのも、さらに魅力度をアップさせる。
とはいえ、そんな価格や新鮮さのみが見どころなのではなく、インテリアの細部にまで手を抜くことないデザイン力や、このブランドの作品ならではと思えるストローク感に富んでしなやかなフットワーク、ガソリンとディーゼルの"良いとこ取り"をしたかのような低回転域からトルキーで、かつ高回転域に掛けても伸びやかなエンジン・フィールなども特有の見せ場である。ここまで個性豊かで、ここまでお値打ち感の強い作品は、数ある輸入車の中にあってもこのモデルならではと断言ができる。
〔読者コメント〕
●乗り心地とシートが最高。デザインも統一感があってシャレている。(田渕貞吾さん)
●安心、いやしの乗り心地。(宇佐美雅也さん)
●かわいい。C3はこれでいい!! という感じ。(菅沼育子さん)
●他のクルマと違ってフアフア感のあるフランスのファミリー・カー。(湯浅公正さん)
●尖ったところがなく、安心して乗っていられる。(丹羽克久さん)
●ほっとする乗り心地。一日中走っていたくなる。(藤本治生さん)
●かわいい外装に広い室内。日本車では絶対に有り得ない世界が見える。(川上 肇さん)
●シンプルでかわいい。雰囲気が良い。(一木太郎さん)
日本市場での最もコンパクトなシトロエン。2CVを彷彿させるような丸っこいスタイリングから一転、現行の3代目はちょっと背の高いSUV風のデザインへと生まれ変わった。どれがヘッドライトかわかりにくいフロント・マスクやエアバンプと呼ばれるサイド・プロテクターなど、ディテールの処理も見事。奇抜さをウリにしてきたシトロエンらしさに溢れる秀逸なデザインに仕上がっている。全長×全幅×全高=3995×1750×1495㎜。ホイールベース=2535㎜。110ps/20.9kgmの1.2ℓ直3ターボ+6段ATのみで、車両重量=1160㎏。"シャイン"は上級グレードで価格は246万円。
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写真=柏田芳敬(メイン)/鈴木 勝(サブ)
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