アルテオンはVWのフラッグシップである。今回の試乗した「エレガンス」グレードだと599万円。ドイツの高級車御三家とタメを張る価格設定だ。VWは良質な商品をつくって適切な価格で売るブランドであるが、かといって、いわゆる高級ブランド品でもない。クルマにかぎらず「高級ブランドの低価格カジュアルライン」は手堅いが、「ポピュラー・ブランドのアッパーライン」を成功させるのは簡単ではない。その意味でいうと、アルテオンはなかなかチャレンジングなビジネスだ。
アルテオンの基本構造や内装意匠はパサートに酷似……とはちょっと意地悪な物言いだけれど、実際のアルテオンはVW以外のナニモノでもないと同時に、パサートとは確実にちがう。クイックなステアリングで手首の返しだけで曲がるし、アタリは柔らかいのに俊敏な操縦性もパサートにはない独特の味わいだ。良くも悪くもノリが軽いケースが多い高級ブランドのカジュアルラインとは正反対に、アルテオンにはVWの職人技術者たちの鬼気せまる思いがただよう。

VW車というと、第一印象で“格好いい”などというフレーズとはおよそ無縁に思われた存在だった。否、ゴルフならゴルフなりにその質実剛健な中身がボクシーなスタイルとよく融合した結果、それが“格好いい”と思えることならあった。けれども、ただその姿カタチを見ただけで「なんか格好いい」と思ってしまうVWなど、これまでになかった。そんなVWがもしデザイン・コンシャスなモデルを開発したのなら。アルテオンはその答の1つかもしれない(パサートCCは何故だかそうは思えなかった)。なぜアルテオンが格好いいのか。
特にこのエレガンスというグレードがいい。パサートをはやりのクーペ・セダン風にリスタイルしてみました、というのではなく、5ドア・ハッチバックにしてセダンよりも実用的というVWらしい機能性をその格好いいスタイルに潜ませているからだと思う。乗れば軽快にして実に懐の深い乗り心地を味わわせてくれた。すべてにおいて必要にして十分、そして格好いい。他に何が要る?

〔読者コメント〕
●VWの質感の高さとまじめな雰囲気が好き。どこか質素な部分にVWらしい本質を大切にする姿勢が感じられた。(鈴 琢磨さん)
●これだけ走ってくれれば言うことなし。(諸隈 純さん)
●コーナリングがしっかりしており、高い剛性感を感じました。(中向恵一さん)
●まじめに作られた印象を受ける良いクルマ。走りもしっかりしていて、内装の質感も良い。(安藤研史さん)
●お得な高級車。品質が高く、静粛性が素晴らしい。(斉藤貴志さん)
●乗りやすいクルマ。日常的に使いやすさを感じます。車内が広い。(砂坂比呂美さん)
●室内広い、質感高い、価格安いの三拍子。いまのところ、あまり見ないので目立ちます。(乃美浩一さん)
●このクルマの後席の広さに驚愕! 子供が大きくなりはじめ、家族向きにいいと思った。(中田太郎さん)
2018年に上陸したフォルクスワーゲンのフラッグシップ・モデル。パサートをベースにした5ドア・クーペで、ワイド&ローのスタイリングはスポーティな印象を与える。また、流麗なクーペ・スタイルでありながら室内空間やトランクは広く、使い勝手がいいというのもアルテオンの特徴である。日本仕様はガソリンの2リッター4気筒ターボ・モデルのみで、最高出力280ps/5600~6500rpm、最大トルク35.7kgm/1700~5600rpmを発生、7段DSGを介し4輪を駆動する。全長×全幅×全高=4865×1875×1435mm。ホイールベース=2835mm。車両重量=1700kg。車両本体価格=599万円。
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