
2010年2月、ひとりのファッション・デザイナーの死が世界に衝撃を与えた。彼の名はリー・アレキサンダー・マックイーン。自身のブランド「アレキサンダー・マックイーン」でファッション界のトップに駆け上がった男は、母親の葬儀の前日、40歳の若さで自ら命を絶ったのである。本作は〈モードの反逆児〉と呼ばれたマックイーンの人生、そしてその創作の秘密に迫るドキュメンタリーだ。タクシー運転手の息子としてロンドンの下町に生まれたマックイーンは、16歳で老舗のテーラーで働き始め、服作りに目覚める。親戚の援助で美術大学に入学した彼は、卒業後、失業手当を使ってショーを開催。

瞬く間に頭角を現し、27歳の時にはジバンシィのクリエイティブ・ディレクターに抜擢される。マックイーンの名を世間に轟かせたのは、何と言っても、自身のブランドで行った奇抜なファッション・ショーの数々である。本作でもふんだんにショーの映像が紹介されるが、モデルを犯罪現場の被害者に見立ててみたり、ロボットを使って、モデルにカラフルなペイントを吹きかけてみたり、はたまた頭に包帯を巻いたモデルを精神病棟のような空間で徘徊させてみたりと、その内容は時に暴力的で醜悪、それでいて身震いがするほどに美しい。
彼の名声は過激であればあるほどに高まる一方だったが、最後に本人を自殺に追い詰めたものは何だったのか?仕事のストレスから逃れるために始めたドラッグのせいなのか、彼の才能を見出した親友、そして最愛の母を立て続けに失くしたショックからなのか、それとも秘かに闘っていた病魔のせいなのか……。その真相は誰にも分からない。だがマックイーン自身は、こんな言葉を残している。「他人、そして自分にどう思われても構わない。だから僕は心の奥深い闇から恐ろしいものを引き出し、ランウェイに載せるんだ」ファッションという芸術に命を捧げた、ある天才の壮絶な記録である。
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