(齋藤) リア・エンジンの911、リア・ミドシップ・エンジンのケイマン/ボクスターに続く国内試乗篇の3つめは、フロント・エンジンの4ドア・ポルシェ。パナメーラ、パナメーラ・スポーツツーリスモ、そしてカイエンという、ボディ3形態の
3台。パナメーラはシリーズ最速モデルとなるターボSEハイブリッド、スポーツツーリスモは4Eハイブリッド、カイエンは現時点でシリーズ最速のターボという3台です。
(村上) ここに近々、カイエン・クーペが上陸して4形態になるわけだ。
(大井) ニュルブルクリンクで997型GT3よりも速かったパナメーラというのはこれなのかな?
(齋藤) V8ツインターボのみで駆動するターボです。ターボSEハイブリッドはさらにそこへ電動モーター出力が加勢する最強モデルです。

(村上) つい最近、海外で992型911とカイエン・クーペに乗ってきたんだけど、帰ってきてこの3台に乗って思ったのは、どれに乗っても、みんなポルシェなんだよね。当たり前なんだけど。
(齋藤) いまさらそんなこと言われても、ねぇ。
(一同) (笑)
(村上) 乗り込んだときの目の前に広がるインテリア、窓越しに目に入るフェンダーのふくらみがみんな同じ。たとえ、4ドアであっても、目指すものは911というのかな、911が原点であり基準なんだと思った。
(大井) ポルシェ=911ということはあるでしょ。
(村上) とはいっても過去には、911に見切りをつけてフロント・エンジンのスポーツカーに熱心に取り組んだ時代もあったわけでしょ。928、924から944を経て968にいたる流れとかね。
(齋藤) でもさ、ポルシェというのはその時代にあっても、少量生産メーカーではなくて、スポーツカー専業メーカーとしては他に類するものがない量産メーカーだったわけだよね。で、受け取る側がポルシェという会社に望んでいたのは911だけだっ
た。そこで、ポルシェは911とともに生きる覚悟を決めた。964、993、そして水冷化してからの996、997、991、そして新しい992という積極果敢な開発を続けて、911を神輿として担いできたということでしょ。
(村上) 911の弱点をことごとく潰して生き延び、スポーツカーの先端を走ってきた。その911開発のなかで培われた技術が、こうした4ドア・モデルにも使われている。ターボ過給にしても、4WDシステムにしても、デュアル・クラッチ式自動MTにしても、911開発で育まれてきたものに他ならない。で、そういうことを考えながら見ていると、パナメーラもカイエンもみな911に見えてくる。

(齋藤) パナメーラの初代はこういう形じゃなかったよね。サイド・ウィンドウのグラフィックスも違ったし、ルーフ・ラインもこうじゃなかった。911に見えなかった。ところが、新型は911に見える。
(大井) 911のテール・ライトの高さがどんどん上がってきて、一方で4ドア系は下がってきて、造形も似ているから、ほんとに近づいてきた。
(上田) 遠めに後ろだけ見ると、判別がつかないことがある。
(大井) 911から離れることは出来なかったということなのかな。
(齋藤) いまではむしろ積極的に近づけている。ロシアや中国では、ポルシェといえばカイエン、パナメーラという現実もある。それを考えると、イメージが近しいことは望ましいことでもある。
(大井) カイエンやパナメーラを作り始めた頃には、「ポルシェがスポーツカーを作り続けていくには、出稼ぎに出なくちゃいけないんだな」と思ったものだよね。本業を続けるための副業的なものに見えた。でも、最新世代のものにこうして乗ると、911的になった見た目だけじゃなくて、乗ってもポルシェらしさを感じるものになっている。「やっぱりポルシェなんだね」って。






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話す人=大井貴之+編集長 村上 政 (ENGINE編集部 以下同) +荒井寿彦+上田純一郎+齋藤浩之 写真=神村 聖
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