今年も夏の終りをモントレー・カー・ウィークで過ごした。これは1つのイベントではない。毎年8月の第3週の週末に開催される、今年で69回目を数えたペブルビーチ・コンクール・デレガンスをハイライトに、クエイルロッジで開催されるモータースポーツ・ギャザリング、ラグナ・セカでのモータースポーツ・リユニオン等々、この地で開催される数多くの自動車イベントの総称として、そのように呼ばれているのだ。
筆者が訪れるようになって10年ほどだが、近年その雰囲気が変わってきているのを感じている。起きているのは、簡単に言えばプレミアムカー・ブランドによるモーターショー化である。ここ数年、従来のモーターショーに代わって彼らはモントレーやグッドウッドといった、実際の潜在ユーザーにより近いイベントへの出展を強化している。
今回もブガッティがクエイルロッジにて10台限定のスペシャル・モデル「チェントディエチ」を発表するなど、多くのブランドが各イベントに豪奢な設えのブースを設け、アピールの場としていた。
おかげでイベントがますます華やかになってきたのは間違いない。チケット価格はどこも上昇しているのに、来場者数だって右肩上がりだ。しかし一方で、生粋のクルマ好きが集まるサロンのような雰囲気は徐々に薄れてきている。この調子だと早晩、本当の愛好家たちは距離を置き、より閉ざされた場に"潜る"ようになるのでは。そんな風にも考えてしまうのだ。
いくつも開催されていたクラシックカー・オークションで落札価格が全体に低調だったこと、この先いわゆる戦前車のジャッジなんて誰ができるのか、なんてことも現地では話題に上っていた。この界隈のビジネスが1つの曲がり角に来ているのは間違いない。
自動車文化を語るならば、見ておかないわけにはいかなかったモントレー・カー・ウィークはこの先、どうなっていくのか。それを見つめためにも筆者は来夏もここを訪れるつもり。すでにエアチケットは確保した次第である。
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