2代目に生まれ変わったアウディの底辺を担うA1。8年半という長い任期を務めた初代は丸みを帯びた上品なスタイリングを有していたが、新型はかなりスポーティな印象へとガラリとイメージを変えた。ラリーで活躍したアウディ往年のスポーツ・モデル、"スポーツ・クワトロ"を彷彿させるフロント・グリルの3分割スリットをはじめ、あちらこちらに配されたシャープなエッジをもつキャラクター・ラインを配した外観はいかにも走りそうに見える。
そんな外観から受けた印象はあながち間違いではなく、走った印象もとてもスポーティだ。
先代はスモール・カーらしい軽やかな走りの中にもどこか落ち着いたひとクラスかふたクラス上の上質な味わいだった。しかし、プラットフォームを新型ポロと同じMQBに替えた新しいA1は違う。軽い感じはそのままだが、「これはS1だったか?」と思わせるほどキビキビ走る。とくにテアリングの操作に対するクルマの動きがシャープ。アウトバーンでの安定性に配慮しているからか、ステアリングを45度くらい回したところまではそこそこシャープなレベルに留まるものの、それ以上切り込むと後輪が逆位相になっているのかと思うほど鼻先がインに入り、クルマはクルンクルンと向きを変える。
これほどまでにスポーティな仕立てなのは、今回試乗したクルマはラインナップの中でも1.5ℓ直4ターボという高出力タイプだからで、これが2020年半ばに導入が開始される1.0ℓ直3ターボを積むモデルならもっと穏やかになるかもしれない。ただ、これでも標準サスペンション仕様なのだ。実はほかに、さらにこの上を行くスポーツ・サスペンションを備えたSラインもラインナップされているのだから驚きだ。
ポロのスポーティ・グレード、Rラインにも搭載されている1.5ℓ直4直噴ターボはスポーティなシャシーに負けていない。低回転域から十分なトルクを発生し、高回転域まで息切れすることなくパワーが続く。デュアルクラッチ式7段自動MTという多段変速機のおかげもあって、どの速度域からでもA1を活発に走らせることが可能なのだ。
上品な大人のハッチバックから、スポーティで活発なカジュアル志向へと生まれ変わったA1。普通のホットハッチでは子供っぽいという人にはうってつけかもしれない。
文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=郡 大二郎
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