2020.01.31

CARS

リア・ミドシップ・エンジンに転じたコルベット 北米からスーパースポーツが上陸!

新春、幕張メッセで開かれた東京オート・サロンに、新型シボレー・コルベットがその姿を現した。


フロント・ミドシップ・エンジンならではのロング・ノーズから、リア・ミドシップ・エンジンゆえのショート・ノーズへと、スタイリングの骨格は大変革そのものだが、先代を特徴づけたシャープなエッジ処理や、灯火類の造形に"継承"を強く印象付けるデザインが施されている。

アメリカ合衆国が世界に誇る本格派のスーパースポーツ、シボレー・コルベットの新型が、東京オート・サロンにやって来た。北米以外の地で実車が一般公開されるのは、これが初めてのことだ。ついにリア・ミドシップ・エンジンに転換したコルベットということでオート・サロンでの注目度の高さもひときわだった。


シリンダーヘッド高の低いプッシュロッドOHV、搭載高を低く押さえるドライサンプ式潤滑システム等、これまでどおりに伝統を受け継ぐ新開発エンジンは2LTと命名され、居住スペースの背後に縦置きされる。
その後方には新開発の8段型デュアル・クラッチ式トランスミッションが置かれる。その変速機の上には第2の荷室が用意されており、これまでのように着脱可能なルーフはここに格納することが可能だ。

展示された車両は北米仕様そのままの1台で、当然、左ハンドル。オプション装備の有無を主とした細かな仕様は、日本で販売されるモデルとは異なるという。


北米市場を中心に引っ張りだこの新型コルベットだが、今年年末に日本仕様第一便が上陸し、納車開始は来年春になるという。なんとも待ち遠しいかぎりだが、デリバリー開始がこの時期になるのは、日本仕様が右ハンドルになるからで、その生産が未だ立ち上がっていないのだ。


日本仕様には内外装のトリムと装備違いで2LTと3LTという2種類のトリムが用意される。いずれも右ハンドル仕様で、495psを発揮する自然吸気6.2ℓエンジンやデュアルクラッチ式8段自動MTも違わない。大まかにいって、主たる違いは内外装で、2LTトリムはラグジュアリー志向の強いものとされる一方で、3LTは内外装にCFRPパーツが多用されるのに加えて、よりホールド性能の高い"コンペティション・スポーツ・バケットシート"が採用される等、スポーツ志向の強いものとなる。


標準装備内容が独自のものとされて充実する日本仕様には、大径ブレーキなどを含む"Z51パフォーマンス・パッケージ"などが含まれているために、完全な素の状態の北米仕様のような低価格とはならないが、それでも2LTで1180万円(消費税込)、3LTでも1400万円(同)という日本価格は衝撃的といっていい。年産数万台規模でスーパー・スポーツカーを量産するシボレーにしかできない芸当というほかない。


内装デザインは量産車然としたそれではなく、立派にスーパーだ。
新型コルベットには最新世代のディジタル・プラットフォームが採用されている。それを象徴するかのように、メーター類は大型液晶パネルを使って表示される。ドライビング・モードの切り替えに合わせて、表示項目やレイアウトも変わる。

ライバルは戦々恐々?

フロント・ミドシップ・エンジン+リア・トランスアクスルの超本格派FRスポーツとして自他共に認める存在だったコルベットだが、欧州勢を始めとするライバル勢と同じリア・ミドシップ・エンジン・レイアウトの採用によって、「あれはコルベットだから」の一言では済ませられない状況が生まれつつある。


新世代の"スモール・ブロック"直噴V8は、495ps/6450rpmの最高出力もさることながら、64.9kgm/5150rpmの最大トルクはいかにも大排気量エンジンのものだ。自然吸気エンジンの電光石火のレスポンスだけでなく、ボトムエンドでの強靭なキック力が期待できる。北米仕様の数値では車両重量は1530㎏とこれまで同様に軽量だから、目を見張る韋駄天ぶりを発揮してみせるだろう。メーカー発表値によれば、0ー100㎞/h加速は、3秒以下でこなすという。 


その出来映えに興味津々である。


文=齋藤浩之(ENGINE編集部) 写真=宮門秀行


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