クロード・ルルーシュが26歳で監督した『男と女』。1966年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得したこの作品は、「ダバダバダ......」 のスキャットで有名なフランシス・レイのテーマ曲とあわせて、今なお世界中の映画ファンの心を掴み続けている。
初公開から53年。ルルーシュが再びメガホンを取った続編『男と女 人生最良の日々』が完成した。主役の2人を演じるのは90代を目前にしたジャン=ルイ・トランティニャンとアヌーク・エーメ。映画の完成を待たずして亡くなったフランシス・レイが新楽曲を提供するなど、ファンにと ってはまさに奇跡のような作品に仕上がっている。
海辺の施設で余生を送る元レーシング・ドライバーのジャン・ルイ。過去の記憶を失いつつある彼のもとに、かつての恋人アンヌが訪ねてくる。本人だと気づかぬまま、アンヌへの想いを語りはじめるジャン・ルイ。再び心を通いあわせた2人は、彼女のシトロエン2CVでドライブに出かける。
彼らがたどり着いたのは、2人が初めて結ばれたノルマンディのホテル。そこに置かれていたのは、ジャン・ルイ が運転していたフォード・マスタングだ。これは夢なのか、それとも現実か?2人のドライブは、50余年前の記憶を次々に呼び覚ましていく。
劇中では、『男と女』の名場面や、ルルーシュが明け方のパリを車載カメラで捉えた1976年の短編映画『ランデヴー』の映像がフラッシュ バックのように現れる。現代の物語に、過去の映像、そして音楽を巧みにシンクロさせた仕掛けが見事だ。
ジャン・ルイとアンヌが様々な思いを抱えながら過去を振り返ったように、自らが歩んできた人生をこの作品に重ね合わせる人は多いだろう。だが2人の胸の内にあるのは後悔ではなく、懐かしくも輝かしい記憶である。その前向き な姿勢は、本作のタイトルに 使われた、文豪ヴィクトル・ユ ーゴーの言葉にも表れている。
「最良の日々はこの先の人生に訪れる」。
1月31日(金)よりTOHOシネ マズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショー
文=永野正雄(ENGINE編集部)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
PR | 2024.11.21
LIFESTYLE
冬のオープンエアのお供にするなら、小ぶりショルダー! エティアムか…
2024.11.21
CARS
日本市場のためだけに4台が特別に製作されたマセラティMC20チェロ…
PR | 2024.11.06
WATCHES
移ろいゆく時の美しさがここにある! ザ・シチズン の新作は、土佐和…
2024.10.25
LIFESTYLE
LANCIA DELTA HF INTEGRALE × ONITS…
2024.11.19
WATCHES
エンジン時計委員、菅原茂のイチオシ 世界限定1200本! グランド…
2024.11.01
CARS
これは間違いなく史上最速のウルスだ! プラグイン・ハイブリッドのウ…
advertisement
2024.11.16
こんなの、もう出てこない トヨタ・ランドクルーザー70とマツダ2 自動車評論家の渡辺敏史が推すのは日本市場ならではの、ディーゼル搭載実用車だ!
2024.11.15
自動車評論家の国沢光宏が買ったアガリのクルマ! 内燃エンジンのスポーツカーと泥んこOKの軽自動車、これは最高の組み合わせです!
2024.11.15
GR86の2倍以上の高出力 BMW M2が一部改良 3.0リッター直6ツインターボの出力をさらにアップ
2024.11.08
【後篇】2024年総まとめ! 自動車評論家44人が選んだ「いま身銭買いしたいクルマのランキング!」 クルマ好きの人たちの深層心理がわかった!!
2024.11.12
BMW4シリーズ・グランクーペが初の変更 新しいヘッドライトと装備の充実で商品力を高める