■柴田充PICK UP!■
骨太な針とインデックスは1960年の初代から受け継ぎ、スモールセコンドと向き合うパワーリザーブは3日間を誇る。ドーム風防に収差を抑えたサファイアガラスがヴィンテージ感を醸し出す。手巻き。イエローゴールド、ケース直径39㎜。日常生活防水。税別210万円。
2019年最後の日、夕日に染まった新国立競技場を眺めた。周辺の変貌ぶりに驚きつつ、不思議な感覚を覚えた。競技場には、まるで最初からそこにあったような既視感が漂っていたからだ。オリンピック・イヤーを迎えた日本は、そんな時代の既視感を再構築している。それは原点回帰や復刻といったスタイルを超え、本来のエッセンスを生かし、最新の技術や感性を注いで再構築する時計にも通じるのでは? ルイヴィトンのヴァージル・アブローは「3%のアプローチ」という創作の定義を掲げる。普遍的なアイテムを特別なものに変えるために必要な独自の3%、つまりほんの少しの"ひねり"こそ重要と説く。
その点で注目は、60周年を迎えたグランドセイコーだ。「SBGK006」は、クラシカルなスタイルに最新鋭の薄型手巻きムーブメントを内蔵する。そうした国産時計の王道を極めつつ、さらにアニバーサリーを飾る、未来のレガシーをきっと見せてくれるに違いない。こればかりでなく、年差±1秒クオーツを発表したシチズンや、Gショックにメタルというストリート・テイストを増したカシオなど国産時計のプレゼンスはこれまで以上に高まっている。今年こそ世界と勝負する年だ。
柴田 充(しばた・みつる)
時計、ファッション、クルマなど男性の趣味ジャンルが専門。メディアでは昨年日本上陸したHodinkeeに注目する。マニアックに偏らない、日常に根ざした時計愛好の民主化だ。
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