ジャン・パオロ・ダラーラの自らの名を冠したロードゴーイング・カーを作るという夢。積年の想いがついに叶った。その結晶がここにある〝ダラーラ・ストラダーレ〟だ。
このスーパー・スポーツカーの販売が、輸入車販売の老舗、アトランティックカーズ社によって行なわれることが決まり、同社が日本における独占輸入権を獲得した旨と、ダラーラ・ストラダーレの販売開始を伝える発表会が、過日、東京青山で開かれた。会場に置かれたダラーラ・ストラダーレは、先立って鈴鹿で開催されたスーパー・フォーミュラ開幕戦でデモランを行い、雄姿を披露した個体そのもの。全身をクリア塗装で仕上げCFRP地肌を見せるそのクルマは、コンパクトなサイズに見合わぬ凄みを漂わせていた。
ダラーラ・ストラダーレは真空高温釜で焼き上げるプリプレグ工法で自社製造される強靭無比なバスタブ・モノコックだけでなく、ボディ構造体にはプレス成型、アウター・パネルにはCFRPシートを用いた複合素材を使用するなど、ほぼ全ての部位にダラーラ社の誇るCFRP技術が投入されており、徹底的な軽量化が追求されているという。その結果、全長4.2mに満たない2座スポーツカーの乾燥総重量は、わずか855㎏に過ぎない。
ストラダーレ(道すなわち公道を意味)を名乗りながら、構造は限りなく最先端のレーシングカーに近く、シートはバスタブ直付け。そこへ乗り込むには、深いバスタブを跨ぐようにして乗り込む必要がある。ドライビング・ポジションはステアリング・コラムとペダル位置の調整によって合わせることになる。
センター・バスタブの背後に横置き搭載されるのはフォーカスRSに使われているフォードの2.3ℓ直4ターボ過給4気筒ユニットだ。フォーカスRSでは350psの最高出力は400ps/6200rpmまで引き上げられている。最大トルクは51kgm/3000-5000rpmを捻り出す。これに組み合わされる変速機は、6段マニュアル・ギアボックスが標準。オプションでパドルシフト機構を採用したオートマティック・トランスミッションを選ぶこともできる。示された動力性能は印象的なもので、0-100㎞/h加速は3.25秒。5速を保持しての100-200㎞/h追い越し加速は8.5秒という。
オプションとなる巨大なリア・ウイングを加えるかどうかにもよるが、最高速度は280㎞/hに達する。さらに強烈なのは、最もダウンフォースが大きなボディ・コンフィギュレーションでは最高速度時のダウンフォース総量が820㎏にも達することで、ダラーラ社がレーシング・フィールドで培ってきたノウハウが投入されたサスペンション・システム(前後ともダブルウィッシュボーン式)と相まって、最大求心加速度(横G)は2Gに達するという。ロードゴーイング・カーとして破綻のないものにすべく注意深く決められたライドハイトを考えると、驚異的な数字である。オプションで車高調整機能を盛り込むこともできる。ベース・モデルはバルケッタ・スタイルで、車両価格は2256万5000円スタートとなる。
文=齋藤浩之(ENGINE編集部) 写真=アトランティックカーズ、Dallara Automobili S.p.A.、編集部
(ENGINE2019年7月号)
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