2020.04.19

LIFESTYLE

驚きの絶景住宅! 一番眺めの良い場所はなんと天井裏だった!! 


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こうした設計をするくらいだ。岸本さんの哲学は独特である。使わないことの多い個室を幾つも作るのではなく、居心地の良い小さなスペースを要所々々に設け、同じ空間の中で家族がお互いを緩く感じながら暮らせるようにと考えている。もっとも個性的な家ゆえ、お子さんが友達の家を訪れた後に、「普通の家が良かった」と口にしたことも。ところが、野田邸に遊びに来たお友達は大喜び。ロフト部分を走り回っている。しかもメディアの取材も多い。そのせいだろうか、最近は自宅の面白さに気付き始めているという。

そもそも野田さん達は、建築家紹介会社ザ・ハウスを利用して岸本さんと出会った。「自分たちの知らない世界を見せてくれそうだから」と、同社の提案の中から建築家を選んでいる。岸本さんの「家族といえども、常に顔を合わせていたいわけではない。時には、あるいは成長にしたがって、適度な距離が必要な場面もある」という言葉に、共感したのだそうだ。独特な間取りは、岸本流の家族の距離の解決策なのだ。

家を建てる前は、デザイナーズ・マンションや、有名建築家の建てた賃貸住宅で暮らしたこともある野田さん夫妻。その時の経験を踏まえて多くの収納を設けた結果、築5年の小さなお子さんが居る家庭にもかかわらず、家の中は整然としている。

家具をそれほど必要としないのも特徴で、作り付けのベンチや階段に腰掛けて、ダイニングに20人近くの人が集まったことも。上の写真は、テレビの置かれたスペース。

東京に通う三島の生活

そんな野田さん夫妻は、東京からの「移住組」だ。二人とも東京で働いていたが、子供ができたのを機に、奥様の実家である修善寺に近い三島に移り住んだ。豊かな暮らしの可能性を感じての移住だが、二人にとって縁のない土地である。最初は賃貸で暮らして住み心地を確認したうえでの家作りだった。

三島での生活は、「なんといっても、生活の質が違いますね。特に家での食事が充実しています。地場産の野菜や肉は安くて美味しいうえ、沼津には魚市場がありますので」と、ご主人。ダイニングルーム脇の屋外には、野菜をグリルするBBQセットを置くデッキを設けた。野田さん達は三島での生活を満喫しているそうで、誤解を恐れず言い切ると、「東京と比べてお洒落なレストランが少ないくらいで、殆どデメリットが無い」そうである。

しかも野田邸は、三島駅まで2キロ強の距離だ。ご主人は、駅までバイクで出かけ、東京まで毎日新幹線通勤をしている。一方隣の沼津市に事務所を構える奥様の通勤の足はクルマだ。現在の野田さん達の愛車は、プジョー308SW(2019年型)。かつて10年ほどプジョー308SWに乗った後に、国産ワゴンに乗ったが、「よりテンションが上がる」最新のプジョーに乗り換えた。

奥様が希望した、実家にもあった薪ストーブは、視覚・機能の面で大きな効果が。

そんな野田さん達には、2台目にと考えているクルマがある。キャンピング・カーだ。これまでも長い休みの際は、レンタルして家族で旅行に出かけている。

「旅の醍醐味は、色々な人に出会うことだと考えています。ところが宿が決まっていると、時間が制約されることに。キャンピング・カーなら、自由に行動できます。宿の食事と違って、訪れた土地のスーパーの総菜も面白いですよ。断った上で居酒屋の駐車場に停め、そのお店で楽しい時間を過ごし、キャンピング・カーに帰って寝たこともありました。手に入れた日には、もう一台はロードスターという生活もいいですね」

と、奥様。キャンピング・カーでキャンプをしないで、動くホテルとして利用する方法があったとは。そんな車中泊の旅は、なんとも楽しそうだ。家だけでなく、カーライフも個性的で豊かな野田家なのであった。

斜面に沿うように建つのではなく、建築面積を小さくして上に伸びる形の野田邸。床面積を稼ぐため、上方に向かって広がっている。



■建築家:岸本和彦 1968年鳥取県生まれ。早稲田大学大学院修了。設計事務所を経て1998年に独立。西洋的な合理主義とは対極の、独自の住宅理論には定評がある。写真は、小誌2018年2月号に掲載された住宅。いすず・ピアッツアと94年の新車時から乗り続けているフィアット・パンダのジウジアーロ・デザインの2台持ち。

■お知らせ:雑誌『エンジン』の大人気企画「マイカー&マイハウス」の取材・コーディネートを担当しているデザイン・プロデューサーのジョースズキさんのYouTubeチャンネル「東京上手」がスタート。必見です!


文=ジョー スズキ 写真=山下亮一

(ENGINE2020年4月号)

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