いまやフィアット・ブランドの大黒柱となった500。新型は純EVとして環境保護性能を前面に打ち出して登場した。
2007年以来、13年にわたって愛され続けてきたフィアット500がついにフル・モデルチェンジした。時代の要請に応えるクルマであることを強調すべく、まずはEVモデルを先行投入した。ボディ・タイプもファブリック・ルーフがスライド開閉可能なコンバーティブルのみでスタートする。
フィアット500はもちろん、少量生産モデルではありようがないから、パワートレインは適宜追加発表されていくだろうし、この発表時点でハイブリッド仕様の存在が明かされている。ボディについても当然、メタル・ルーフの標準型が加わるはずだ。
新型500はプラットフォームも完全新規開発で、ホイールベースは2㎝伸びて2320㎜に、全長と全幅は6㎝拡大されて3630×1685㎜になった。
電動モーターの最高出力は87kW(118ps)で、最高速度150㎞ /h、0-100㎞ /h加速9.0秒が可能という。床下に収められた42kWhのリチウム・イオン電池による航続距離は320㎞(WLTP)だという。240V電源環境では5分で50%、35分で80%の充電が可能な85kW急速充電器が備わる。
新型導入期の特別仕様として主要市場毎に500台限定の"ラ・プリマ"が用意されるほか、3台3仕様のワンオフが作られてオークションで販売され、落札金は環境保護団体に寄贈されるという。
ワンオフの1台、500ジョルジオ・アルマーニ。特徴的なグレイ・グリーンの内外装ともに、手の込んだ仕立てが施されている。シートはポルトロナ・フラウ社製の本皮革を使っている。
同じくワンオフの1台。ブルガリが手がけたB.500"MAITROPPO"。ローマの夕陽がモチーフというパール・カラーには金粉が混ぜられている。インテリアでは鮮やかな色彩が踊る。
樹脂製のデザイン家具で知られるカルテルが手がけたワンオフ。内外装ともに、同社得意の装飾を施したプラスティックを始め、すべての素材が"カルテル・ブルー"で統一されている。
文=齋藤浩之(ENGINE編集部)
(ENGINE2020年5月号)
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