2020.05.17

LIFESTYLE

「ル・ファヴォリ」 伝統をアップデートして発信!残し続けたい日本の食文化2

「清流の飛沫─コキアージュ オマール─」。清流で海老が跳ねて飛沫が散る情景をイメージした冷前菜。お皿の柄やところてんを清流に見立てている。

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料理店は料理を提供するだけでなく、食文化を発信する場所。 コロナ禍で痛手を被りながらも日本の食文化を伝えようとする、 志高きプロフェッショナルに注目したい。

フランス料理で"和"をプレゼン

日本の食文化を発信しようとする料理人は、和食だけでなくフランス料理の世界でも活躍している。「ル・ファヴォリ」の古澤英夫シェフも、そのひとり。


巨匠アラン・デュカス氏の右腕として活躍した彼が今春スタートした「ムニュ・ジャポン」は、食材にとどまらず、さらに踏み込んで日本的なアイコンをちりばめた7品のコースだ。


手巻き寿司とお造りをコンセプトにした温前菜「風呂敷造り─マグロ ミズダコ 湯葉─」。魚介のお造りを海苔ではなく湯葉で、風呂敷で巻くようにして楽しむ。

たとえば1皿目の前菜は、フォアグラなどと共に穴子などの日本の食材も使い、和食の八寸を思わせる盛り付けで提供。


2皿目の冷前菜は、オマール海老の出汁のジュレを詰めた天付き器を皿に添えて出し、ところてんを押し出すようにしてジュレを料理にかける演出がユニークだ。


もともとは海外のゲストのニーズを意識して考案したコースだが、斬新な角度で伝統を楽しめると、日本人にも好評。外国人接待の切り札になる一軒だ。


古澤英夫シェフ。フランスでは錚々たる名店で修業した実力者。
ゆったりとテーブルを配置した店内は49席。
個室は2部屋。当面の間、室料は無料だ。
外食もままならない現在の状況を鑑み、4月16日からテイクアウト・メニューの販売も開始した。「Le FAVORI 特製贅沢肉弁当」(1万円、税込)は、枕崎牛のランプやフランス産鴨、山形豚、子羊、ウサギなど、10種類以上の肉を様々な方法で調理した、フレンチ・レストランならではの究極の弁当。1品で2~3人前のボリュームがある。
ランチ限定のテイクアウト・メニューも用意。写真手前は「季節野菜たっぷり チキン弁当」(1200円、税込)。そのほかオプションで、シナモンロールや無添加ブレッド、パティシエによる特製スイーツなども販売している。

●Le FAVORI(ル・ファヴォリ)

東京都千代田区紀尾井町1-3 東京ガーデンテラス紀尾井町3F 
Tel.03-6272-3734 
営11:30〜13:30 LO、17:30〜20:00LO 第1・3水曜定休
www.lefavori.jp 
料理は7品1万1000円のコース「ムニュ・ジャポン」(要予約)より。
※最新情報はHPでご確認下さい
※価格は税サービス料別


文=小松めぐみ(フード・ライター) 写真=古田登紀子


(ENGINE2020年6月号)

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