2020.09.01

WATCHES

クロノスイス/古典的な機構や意匠を大切にしてきた現代のタイムピース

レギュレーター クラシック ブルースティール/センターに分針、12時位置と6時位置に時針、秒針をレイアウトしたレギュレーターモデル。ダイアルはガルバニック加工によってミッドナイトブルーを彩り、ブルーPVD処理を施したケースや、ブルーとブラックを何層にも重ねてカラーリングしたストラップとの美しい調和を見せている。6時位置のイ ンダイアルからはかすかにムーブメントが顔を覗かせ、デザインのアクセントに。自動巻き。ステンレススティール(ブルーPVDコーティング)、ケース直径41㎜、10気圧防水。税別62万円。

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いま着けたいのは、“物語” のある時計--。その興味深いストーリーを知るほどに魅力は深まるばかり。ここに現代の名品たちを主役にした珠玉の短編集を編んでみた。 



クロノスイスは手巻き式のレギュレーターモデルを1987年に限定リリース。そして1990年には自動巻きムーブメントを搭載した「レギュレーターオートマティック」を発表し、その名を一躍世に広めた。


クロノスイスを象徴するディテールのひとつであり、古典的な意匠として知られるギヨシェ装飾は、職人の手作業によって施されている。


CHRONOSWISS

レギュレーターとは、時、分、秒針をダイアルの同軸上ではなく、それぞれを別個に配置して表示する複雑機構のひとつ。天文台や時計師たちが正確な時間を把握するために考案され、約200年も前、懐中時計の時代に多く用いられていたものだ。


この古典的な機構を現代に復活させたのが、1983年に時計職人のゲルト・R・ラングによって設立されたクロノスイスで、創設から4年後の1987年、レギュレーターを備えた腕時計の量産モデルを世界で初めて完成させた。これ以降、レギュレーターはクロノスイスのアイコンとも呼べる機構となり、これを搭載した数々の時計を展開する。


「レギュレーター クラシック ブルースティール」もそのひとつ。レギュレーター機構に加え、オニオン型リュウズやコインエッジベゼル、ギヨシェ装飾といった古典的意匠を採用。その一方で、ケース、ダイアル、針、ストラップをブルーで統一し、モダンな雰囲気を強調しているのだ。かつて、クロノスイスのデザイナーは「ポジティブな歴史的特徴と現代的なデザインを組み合わせることが、我々のアイデアでありアプローチ」と語ったが、このモデルは古典と現代を融合した、まさに今のクロノスイスを象徴する作品である。


文=竹石祐三
(ENGINE2020年9・10月合併号)

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