ジャーナリスト39人とENGINE編集部員6名、計45人が、雑誌が創刊した2000年からの20年間で「一度は手に入れたい」クルマ20台を選び順位をつけた。選んだ20台についてと、「20年間のクルマをどう見てきて、この1台はどういう基準で選んだのか?」というテーマに答えてもらった。
この20年、HOT20にはエンジン誌に相応しいクルマが選ばれてきたと思う。世界の数多いクルマの中から20台を毎年選ぶのはなかなか難作業だが楽しい時間でもある。今年も同じ基準で選んでいるが、自分でハンドルを握って楽しい時間を共有できるクルマを選んできた。また時代のエポック・メイキングなクルマも強く印象に残っている。そしてクルマの進化は止まらない事を実感している。
現在生産されている精緻なスーパーカーと伝統あるアストン・マーティンの端境期に生まれたベビー・アストンだ。コンパクトで実用性があり、そして英国に生まれたスポーツカー・メーカーの矜持を感じさせてくれた。
感動したのは2シーターのGT。最初「なんと奇怪な」、と思ったが走らせた瞬間に感動した。GTのために作られたドライサンプ、コンパクトなV8をフロント・ミドシップに置いたハンドリングは絶品。
最新のポルシェは最良のポルシェと言われるが、いつのポルシェも新鮮だ。991は自然吸気大排気量の滑らかでトルクフルな力強さが魅力。市街地で使いやすいサイズで、実用性も魅力となっている。
E90の軽快なフットワークにスポーツカーとは違うBMWの楽しさを改めて堪能し、セダン好きを思い出させた。ボディ剛性にも感動した。
路面に粘りつくようなメルセデスの走りと快適な乗り心地。そして実用性の高いボディ・サイズはEクラスの中でもピカイチだ。
ドイツ車とは異なるスポーツカーづくりはまさに往年のアルピーヌを現代に蘇らせたもの。楽しく面白く、飽きることはない。
日本が誇るマツダ・ロードスター。シリーズの中でもデザイン、実用性、そして何よりも軽快なフットワークを誇るND型に心惹かれる。
SUVルックのIペイスだが、スポーツカー・メーカー、ジャガーの出自が滲み出た一味違う独自の立ち位置。BEVの魅力が詰まっている。
世界初の量産FCEVの快挙は素晴らしい。走りの味付けは物足りないが、今年FMCする2代目ミライに期待したい。
コンパクトなセダンに5ℓ V8を押し込んだスポーツ・セダンは、ドライバーを魅了する味を持っていた。作り手の思いが伝わってくる一品だ。
SUVカテゴリーに当てはまらないレンジローバー。BMW傘下で装備も質感も一新した滑らかな走りに圧倒された衝撃は大きかった。
名車ランサーEvoシリーズの有終の美を飾った。生産終了して数年たつが未だにラリーの第一線でトップ・ランナーだ。いつか復活を期待して。
スポーツ・ハッチバックのベンチマーク、ゴルフGTI。5世代目が誕生する前まで存在感が薄くなっていたが、このモデルでGTI魂が復活した。
Zは日産スポーツカーの原点。スポーツカーらしいデザイン、2輪駆動の軽快さが魅力で、今後も時代にマッチしたZとして存在してほしい。
1L3気筒ターボとゲトラグフォードのデュアルクラッチの組み合わせ、軽快なハンドリング、そして実用性の高さ。今も街で見ると振り返る。
ホンダしか作れないマイクロ・スポーツ。ドライビング・ファンは他に代えがたいものがある。
ミドシップでロング・ホイールベースを可能にした。今、乗ってもiにしかない魅力を感じる。
北欧らしいデザインとワイド・ボディによるキャビンの広さが特徴。上質なファミリーカーだ。
回頭性の良さとトラクションの高さがWRXの持ち味。スバルのスポーツ魂を感じられる一台。
BEV専用モデルとして発表された手に届きやすい小型車。電気の未来を感じさせた功績は大。
文=日下部保雄(自動車ジャーナリスト)
(ENGINE2020年9・10月合併号)
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