2020.10.17

WATCHES

今、気になる時計はオープン&スケルトン! #02 Sports & Sporty 編

時計のデザインで人気の的が内部のメカニズムが見通せる“オープン”スタイル。ダイアルやケースバックを通して見える精巧なムーブメントとスケルトンで露わになった機構には心躍る!


スポーティな個性を引き立てるモダンなスケルトン

オープンスタイルの個性的なデザインを創り出すのは、クラシカルな機械式時計に限らず、一般的なスポーツウォッチにおいても年々盛んになってきた。その場合、露わに見せたムーブメントのメカニズムは、デザインのエレメントであるだけでなく、スポーティな感覚そのものに直結していることも多い。


たとえるなら、それはパワフルに駆動するマシンに通じるイメージだろう。その一方で、スポーツウォッチがとかく陥りがちな無骨な印象を和らげ、お洒落に変身させることができるのもオープンの利点。腕に着けたときのスポーツウォッチが軽やかで断然カッコ良く見えてくる。



CHRONOSWISS(クロノスイス)/スケルテック
新設計の手巻きムーブメントは、主ゼンマイを収める香箱から輪列、テンプまでをすべてスケルトン化したモノブロック構造で、スポーティかつモダンな表情を演出。DLCブラックコーティングもその個性を引き立てる。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径45㎜、5気圧防水。50本限定。税別230万円。10月発売予定。
 


BELL & ROSS(ベル&ロス)/BR 05 スケルトン ブルー
「BR 05」に加わったブルーの新作は、青く着色したガラスのダイアルを通してスケルトンを前提に設計されたムーブメントが見える。メカの可視化とダイアルの判読性とを巧みに両立させ、スタイリッシュなイメージに仕上げたのは秀逸。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径40㎜、100m防水。世界限定500本。税別79万円。

 


EDOX(エドックス)/デルフィン メカノ オートマティック
機械式モデルとして発表された新装「デルフィン」は、カットワークが個性的なダイアルを配して自動巻きムーブメントを強調。ダイアルを囲む12角形ベゼルは、1973年に発表された「デルフィン」の形状を継承するが、その雰囲気はきわめてモダン。ステンレススティール、ケース直径43㎜、200m防水。税別24万円。
 


FREDERIQUE CONSTANT(フレデリック・コンスタント)/クラシック インデックス オートマチック ハートビート
12時位置の窓にムーブメントの一部を露出させた「ハートビート」は代表作。「クラシック インデックス オートマチック ハートビート」の新たな日本限定モデルは、ツートンカラーを採用し、ラバーストラップもスポーティな雰囲気。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径40㎜、5気圧防水。150本限定。税別17万円。


時計ジャーナリスト・菅原 茂はこう見た!

いわゆる正攻法で作られた典型的なスポーツウォッチのデザインの多くは退屈になりがち。頑強で精悍、実用的で機能的と突き詰めていくほどに洒落た感覚や遊び心は後退せざるをえないからだ。そこに風穴を開けるのがオープンだと思う。軽快で楽しいデザインがスポーツウォッチを変えていくにちがいない。


ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!

スポーツモデルでのスケルトン化は盛り上がる一方だが、その表現方法も新たなアプローチが増えている。中でも注目したいのは、クロノスイスやベル&ロスのように最初からスケルトンを前提にムーブメント(および地板と受け)をデザインしたスタイル。スポーツなのにメカニカルで知的な感じをもたらす組み合わせはこれからの大きなトレンドになりそうだ。


 


[Column]オープンスタイルならクルマコラボも要注目!

オープンスタイルの時計には、クルマに関連するものも少なくない。ダイナミックでスポーティなムーブメントが、まさに俊足レースカーのマシンを連想させるのだ。そうした好例は、ランボルギーニ・スクアドラ・コルセとパートナーシップを結ぶロジェ・デュブイ。ランボルギーニ ウラカンに搭載されるV10エンジンに通じるイメージを随所に取り入れた「エクスカリバー ウラカン」の独創的なスケルトンムーブメントは迫力満点だ。


ROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ)/エクスカリバー ウラカン
精悍な表情がいっそう際立つオールブラック仕様の最新モデル。ランボルギーニ ウラカンのイメージを取り入れたスケルトンムーブメントは、時計の調速を担うテンプがV10エンジンからインスピレーションを得て12度傾斜する異例の設計だ。自動巻き。ブラックDLCチタン、ケース直径45㎜、5気圧防水。税別500万円。


シースルーのケースバックから見える自動巻きムーブメントのローターは、まさしくレースカーのホイールを連想させるデザイン。


文=菅原 茂(時計ジャーナリスト)/前田清輝(ENGINE編集部シニア・エディター)
(ENGINE2020年11月号)

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文=菅原 茂(時計ジャーナリスト)/前田清輝(ENGINE編集部シニア・エディター)

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