久々にクルマで遠出をするチャンスに恵まれた。感染に十分な配慮をしつつ行った今回のクルマ旅で、クルマの楽しさや移動する歓びを再認識した。
コロナ禍で自家用車に再び注目が集まっている。ソーシャル・ディスタンスを保つことは難しいけれど、同じ空間に特定の人しか居ないので、公共交通機関よりも安心感が高いというのが理由だ。実際、自動車ディーラーのセールスマンによると、自家用車で出掛ける機会が増えたので、これを機に新しいクルマに買い替える人は少なくないらしい。買い物や通勤、さらにこれから徐々に再開される旅行の脚として、自家用車が活躍する場が増えるだろう。
そんな折、マツダが「価値体験型取材会」という1泊2日の旅行を模した試乗会を開催するというので参加してきた。旅の供はCX‒30。マツダ最新のコンパクトSUVである。ルートは初日は長野県木曽、奈良井宿を経て松本で1泊し、2日目にビーナスラインでドライビングを楽しみながら帰京するといった具合だ。
ロケを含め、なるべく都内を出ないという生活が長かったこともあって、久々の遠出はそれだけでも気分が高揚する。コロナ騒動と無縁の植物たちが彩る深い緑の風景を見ているだけで心が洗われるようだ。
CX‒30は最近のマツダ車には珍しく自己主張することなく静かに寄り添ってくれる。まるで良く出来た伴侶のようなクルマだ。初代CX‒5以降のマツダ車はクルマ好きの溜飲が下がる楽しい走りを提供してくれるのだが、あまりにもそこに照準が合い過ぎていて、風景を眺めながらゆっくり流すような使い方にあまり向いていなかった。もちろんCX‒30もひとたびムチを入れればしっかりその要望に応えてくれるので不足はない。
今回は火花点火制御圧縮着火のアクティブX搭載モデルとディーゼルの2台に試乗したが、良く出来た伴侶といった感じがより顕著なのはアクティブXの方。どの回転域でもまるでモーターのようにスルスルっと加速してくれるので、必要なときにアクセレレーターを踏み込めば、いつでも思い通りの加速が得られる。常にエンジン回転計に気を配っている必要がないのだ。逆に、クルマとの対話を楽しみたいなら断然ディーゼルがオススメ。アクセレレーターを右足でコントロールしながらエンジンの美味しいところを引き出す快感はこちらの方が勝っている。
クルマと対話するだけでなく、風景や同乗者との会話を存分に味わうのもまた格別ということを今回再認識した。そして、そんな旅の供にCX‒30はとてもよく似合っていた。
文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=篠原晃一
(ENGINE2020年11月号)
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