大阪で4番目となるエルメスの拠点が、心斎橋にオープン。自然光がキラキラと店内を照らし、エルメスらしい美しく洗練された空間を演出する。
エルメスの関西最大規模となる新店舗が、大阪・心斎橋にオープンした。御堂筋に面したファサードには、波型に型押しされたウェーブガラスをあしらい、自然光を反射して水面のようにキラキラと店内を照らしだす。また、店内側の天井には無数の組紐が吊り下げられているが、これは日本古来の職人技を用いた縁起物。その結び目には、人や文化を結び、過去と未来をつなぐ意味が込められているという。
エントランスの床には、パリのフォーブル・サントノーレ店同様に、それぞれモザイクタイルでメゾンの象徴である“エクスリブリス”(蔵書印)が描かれている。
エントランス正面から両サイドにメンズとウィメンズのプレタポルテの世界が広がる。さらに店の奥にはシューズ、馬具とレザー、ジュエリーと時計のサロン、という3つのボックス型の売り場を配置。街のショップを個別に巡っていくような気分で、店内を回遊して楽しめる。
店舗の設計デザインを担当したのは、パリの建築設計事務所「RDAI(レナ・デュマ・アルシテクチュール・ダンテリユール社)」。男女のプレタポルテはもちろん、色彩豊かなスカーフやシルク、エルメスらしい馬具やレザーアイテム、アクセサリーや香水、ホームコレクションなどがバランスよく配置され、まるでバザールを巡り歩くような楽しさを味わえる。
人通りの多い館内側のエントランス周辺には、香水やシルク、ファッションアクセサリーといった親しみやすいアイテムが数多く展示されている。年末に向けてのギフトシーズンにもピッタリだ。
2Fには顧客をもてなすための特別なスペースも用意。将来的にはパーソナル・オーダーを受注するサロンが設置されるという。落ち着いた空間で、ゆっくりとくつろぎながらショッピングが楽しめる気配りがなされている。
今年、“イノベーションの動き”という年間テーマを掲げるエルメス。そこには卓越した職人技と自由な創造性への敬意が込められており、まさにそれこそがエルメスの独自性を支えてきたといえる。大丸心斎橋店の落ち着いた空間で、エスプリを宿した職人技の数々に触れ、エルメスが紡いできた上質なクリエイションを堪能してほしい。
■エルメス 大丸心斎橋店
住所/大阪市中央区心斎橋筋1-7-1
電話/06-6271-1231
営業時間/11:00~20:00
問い合わせ=エルメスジャポン Tel.03-3569-3300
文=野中邦彦 写真=Nacasa & Partners Inc.
(ENGINE2020年12月号)
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