ジープ・レネゲードにPHEVモデルが追加された。1.3リッター直4ターボ+電動モーターのハイブリッド・ジープは、モーターだけで横浜を走り、上質な乗り味を提供してくれた。
北米、ヨーロッパ、そして日本で好調なセールスを続けるジープ・ブランドはいまやFCAグループの稼ぎ頭だ。EUのCO2排出規制をクリアするためにはジープ・ブランドへの対策が不可欠ということで、ヨーロッパで生産されるコンパクト・ジープ、レネゲードにPHEVモデルが加わった。ジープと言えば、道なき道を駆け巡るオフローダーのイメージがあるので「とうとう来たかあ、電動化の波」としみじみ思った。
パッと見ただけではガソリン・モデルとの違いに気が付かないだろう。リアに“4xe”というバッヂがあること、充電口を持つことが外観上の相違点である。
1.3リッター直4ターボと電動モーターを搭載、前輪はガソリン・エンジン、後輪はモーターが駆動する。前後輪は機械的には連結されていない。リチウムイオン・バッテリーは車体中央の床下に置かれている。
試乗会場となったのは横浜の埠頭。モダンな外観は海越しに見える高層ビルに良く似合う。
内装も基本的にガソリン・モデルと同じ。センタースタックに「ハイブリッド」(標準)、「エレクトリック」(電気のみ)、「Eセイブ」(電力消費を抑える)という3つのドライブ・モード・スイッチを備えるのが特徴だ。その横に「スノー」、「サンド&マッド」、「4WDロック」などの走行モード切り替えスイッチが並ぶのはジープの証である。
最高出力239ps(エンジン179ps+モーター60ps)のトレイルホークは無音でスタート。バッテリーに余裕があるときはモーターのみ。後輪駆動で横浜の街へ繰り出した。ガソリン・モデルに比べて290kgも重いけれど、250Nmを瞬時に発揮する電動モーターは力があってグイグイ行く。乗り心地は重厚感のあるどっしりとしたものになった。首都高速に入ってもエンジンはかからない。EVモード走行は最長で48km、最高時速130kmまでは可能だという。低重心が効いているのだろう。コーナリングも安定している。ガソリン・モデルが持つ軽快感は薄くなったけれど、力強くどっしりとした乗り味もなかなかいい。ちょっと大人になったレネゲードである。
全然エンジンに点火しない。走行モードを「スポーツ」にしたらエンジンが作動し4WDになった。このときもスムーズでショックはなかった。ちなみにエンジンのみ、つまりFFになることはないという。そうなる前に積極的にエンジンがかかり発電する。街中は気持ちよく走った。さてオフロードでモーターのトルクは功を奏するのか? 重量増はどうなのか? ジープだけにとても気になった。
文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=小林俊樹
(ENGINE2021年1月)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
2024.12.18
LIFESTYLE
Maserati GranCabrio × PRADA スタイリス…
PR | 2024.12.19
WATCHES
365日の相棒! シンプルなデザインに最新技術を詰め込んだ、ザ・シ…
PR | 2024.12.18
CARS
【プレゼント】公道を走れるレーシング・マシンからラグジュアリー・オ…
PR | 2024.12.13
WATCHES
機能美にあふれ身に着ける人を鼓舞する時計、IWC
PR | 2024.12.12
CARS
「我が家はみんなイギリス好き」初代から3台を乗り継ぐ大谷さんの家族…
PR | 2024.12.12
CARS
SUVに求められる要素をしっかり満たしている 新しくなったルノー・…
advertisement
2024.12.20
【リセール無視、胸が高鳴る400万円台新車】第1位は武田公実が「内燃機関の在庫車が入手できるのは最後のプレゼント」と欲しくてたまらないあのクルマ!
2024.12.18
【もうええでしょう、即注文! 600~800万円台新車】第1位は編集部シオザワが「還暦を過ぎて乗ったらカッコいいジジイになれます」と大プッシュするあのクルマ!
2024.12.15
2024年版【 来い! 俺の宝船! 1000万円台】第1位は齊藤 聡が「消えゆくのを待つばかりのNA水平対向6の鼓動を楽しめる」と喜びを噛みしめたあのクルマ!
2024.12.17
【俺の年収の壁も撤廃希望! 800~1000万円新車】第1位は日下部保雄が「その昔に憧れ、今その志を受け継いだミドシップに乗れるのは幸せだ」と尊むあのクルマ!
2024.12.17
新型メルセデス・ベンツEクラスにAMGモデルのE53が登場 3.0リッター直6ベースのPHEV