御殿場で開かれたアウディの試乗会で、新型A4とともに乗ったのが、フルモデルチェンジした旗艦中の旗艦S8。脚を電気モーターで制御するハイテク満載の走りに驚愕!
新型A8の日本上陸に遅れること2年、シリーズ最強モデルである新型S8がやってきた。初代からアルミ・スペースフレームをはじめ、アウディのスローガンである「技術による先進」を象徴するハイテクを積極的に取り入れてきたA8シリーズだが、中でも頂点に立つS8は、先進技術を駆使することでラグジュアリーとハイパフォーマンスを両立させた旗艦中の旗艦として君臨してきた。そして、今回も期待に違わずオドロキのハイテク満載で生まれ変わった姿を現したのだ。
中でも目玉は、レーザースキャナーやカメラセンサーを用いて路面の凹凸を先読みし、電気モーターを瞬時に作動させて脚のストロークをアクティブに制御するプレディクティブ・アクティブ・サスペンションの導入だ。エア・スプリングと併せて使うことにより、路面の凹凸に影響されることなく、ボディを完全にフラットに保つことが可能になったというのだ。48Vのリチウムイオン・バッテリーとベルト駆動式オルタネーターを組み合わせたマイルドハイブリッド・システムが導入されたことと合わせて、今回の新型の走りに大きな変化をもたらすものだ。
フロントに縦置きされる4リッター V8ツインターボは最高出力571ps、最大トルク800Nmを発生、8段ATを介して4輪を駆動するが、コースティング時にはエンジンを停止して燃費を改善するようになっている。クワトロ・システムは新型A4とは違い、通常時前後40対60でトルク配分する従来型だが、リアにはクワトロ・スポーツディファレンシャルを装備するほか、後輪操舵システムも装備する。
ドアを開けた途端に車高が積極的に変化するところからして、まったくの新しい感覚の乗り物だと思わされた。クルマというより、なんだか生き物みたいだ。走り始めて感じるのは、A4を凌駕する静かさとスムーズさ。ただし、こちらは軽さより重厚感が際立っている点が違う。驚くのは、どんな荒れた路面に遭遇しても常にフラットな姿勢を保っていることで、さらに水平モードを選択すればコーナリング時に逆側の脚が伸びてロールまで消すことができる。ただし、箱根の山道でこれを使うと却って不自然で走りにくかった。なにしろノーマル・モードでも、十分にウルトラ・フラットなのだから。とにかく、この巨体で狭い峠道をストレスなく駆け抜けて行ってしまうのには舌を巻いた。まるで機械じかけのサラブレッドに乗っているみたいだ。技術による先進、恐るべし!
文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=望月浩彦
(ENGINE2021年1月号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
PR | 2025.02.07
CARS
モータージャーナリストの島下泰久さんと、ルノー・アルカナ・エスプリ…
2025.02.09
WATCHES
アンダー100万円の新作・注目作の時計4本! フォージドカーボンの…
PR | 2025.02.07
LIFESTYLE
フランスの香り漂う――。エティアムの人気モデルに、麗しきゴートレザ…
2025.02.02
CARS
車重2.5tの巨体がワインディングで気持ち良く走る驚きのロールス!…
2025.01.25
LIFESTYLE
まるで南国リゾートのような家 東京の自宅の隣にローコストで別荘を建…
PR | 2025.01.24
CARS
42台のそれぞれのディスカバリー物語【誕生35周年企画「私のディス…
advertisement
2025.02.14
「私なら門前払い」 ホンダと日産の経営統合破談会見を見て、国沢光宏氏(モータージャーナリスト)は何を思ったか
2025.02.10
ホンダと日産の統合への協議破談で日産の将来はどうなるのか? モータージャーナリストの国沢光宏氏が考察する
2025.02.11
ホンダも実は厳しい!? 日産との経営統合協議破談でホンダの未来はどうなるのか? モータージャーナリストの国沢光宏氏が考察する
2025.02.14
やはり難しかったか 第一報から2カ月弱、ホンダと日産の経営統合への話し合いの中止が正式決定
2025.02.20
なぜ従来型のオーナーは悩み、悔しがるのか? マイナーチェンジで新しくなった三菱アウトランダーを公道で試乗した