メルセデス・ベンツのDセグメント・サイズのコンパクト・モデル、Cクラスがフルモデルチェンジし、ドイツ本国で発表された。Cクラスは今回の新型で5代目となる。セダンだけでなく、ワゴン・タイプのステーションワゴンも同時にデビューした。
曲線的なボディラインと多角形のライトを組み合わせたエクステリアは、先日、日本での販売が開始された新型Sクラスと相似形と言ってもいいほどよく似ている。また先代のCクラスのイメージも色濃く残しており、テールライトのデザインが大きく変わったリアからの眺めならまだしも、フロントやサイドから見る限りはクルマに詳しい人ではないと新旧の見分けが付かないかもしれない。ヘッドライトはSクラス譲りの「デジタル・ライト」をオプションで設定。これは、各種センサーとナビゲーション・マップの情報をミリ秒単位で解析して配光を最適化するほか、路上にガイドラインや注意表示を投影できるデバイスだ。
ドイツ本国仕様のセダンのボディ・サイズは全長×全幅×全高=4751×1820×1438mmで、先代と比べると全長が+65mm、全幅が+10mm、全高が−9mm。ワゴンの全高は1455mmで先代比の−7mmとなっている。ワゴンの全長と全幅はセダンと同一で、全長は先代比では49mm長くなった。ホイールベースは先代より25mm長い2865mm。前後トレッドは前が1582mm、後が1594mmで、それぞれ前が19mm、後が48mm拡幅されている。荷室容量は、セダンが455リッターで先代と変わらないが、ワゴンの5人乗車時が30リッター増えて490リッターへと拡大。なお、最大積載量は1510リッターとなっている。室内寸法は計測部によって異なるが先代同様か微増している。
今回発表されたエンジンはすべて4気筒で、メルセデスAMG F1チームと共同開発したターボ過給系と、「ISG」と銘打ったマイルド・ハイブリッド・システムの第2世代型を採用する。ガソリン車は1.5リッターが170ps/250NmのC 180と、204ps/300NmのC200、2.0リッターが258ps/400NmのC300、ディーゼル車は2.0リッターのみで、200ps/440NmのC220dと265ps/550NmのC300dの2種類。いずれも、出力20psを発生するISGのモーターによるブースト=出力アップが行われる。
また、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)も近日中に追加。出力129ps/440Nmのモーターと、容量25.4kWhの高電圧バッテリーにより、EV走行での最高速度は140km/h、最大航続距離は100km程度になる予定。駆動用バッテリーのレイアウトを工夫し、荷室への侵食も先代より少なくなるという。まずは2.0リッターガソリン・エンジンとの組み合わせが設定され、追ってディーゼル版が登場する予定だ。
トランスミッションは9段ATで、マイルド/プラグインともにハイブリッド用モーターはギア・ボックス内に組み込まれる。C200とC300には4WDもラインナップ。サスペンションはフロントが4リンク式、リアがマルチリンク式で、後輪操舵を加えた4WSをオプションで用意。PHEVモデルはリアに車高調整機能を持つエア・スプリングを標準装備する。車体後部に配置される駆動用バッテリーの重量に対応するためだろう。
インフォテインメントシステムは最新のSクラスと同じく、第2世代へと進化したMBUXを採用。音楽ストリーミングやオンライン自動アップデートに対応するほか、スマートホームと連携すれば自宅の空調操作や在宅者確認なども行える。9.5インチのインパネ・センター画面と10.25インチのメーター画面との組み合わせが標準で、11.9インチ(センター用)と12.3インチ(メーター用)仕様も選べる。
快適装備では、前席シート・バックに8チャンバー式のマッサージャー、運転席座面に4モーター式のバイブレーターを内蔵したマッサージ機能付きを設定。また、Cクラスでは初めて後席シート・ヒーターが用意された。
生産はドイツ・ブレーメン工場のほか、中国・北京と南アフリカ・イーストロンドンでも行われる。日本仕様に関しての続報を待ちたい。
文=関 耕一郎
(ENGINEWEBオリジナル)
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