BMWアルピナがBMW初のフルサイズSUV、X7をベースにしたXB7の日本での販売を開始した。
搭載される4.4リッターV8は54mm径のツインスクロール・ターボを2基装着し、最高出力621ps/5500-6500rpm、最大トルク800Nm/2000-5000rpmを発生。トランスミッションは変速タイムわずか0.1秒というZF製8段ATを採用している。2.5トン超の巨体ながら0-100km/h加速は4.2秒、0-200km/h加速が14.9秒。0-100km/hのタイムは素の911カレラと同等だ。最高巡航速度も290km/hというパフォーマンスを実現している。
この大出力化に合わせて、アルピナ専用のインタークーラーや拡大されたトランスミッション・オイルクーラー、2基増設したサブ・ウォータークーラーを装着することで冷却性能を強化。前395×36mm/後398×28mmのディスクを用いる強力なブレーキ・システムも装備する。
駆動方式は4WDで、リアには専用チューンの電子制御LSDを装備。操舵系などほかのメカニズムと連動した制御を行い、駆動力配分を最適化することで、スリップ時のロスを最小限に抑制し、トラクションを向上させる。
サスペンションは前後ともエア・スプリングとXB7専用ダンパーの組み合わせ。最低地上高は30km/h以下で40mmアップさせることで悪路走破性を向上。また、スポーツ・モード選択時に160km/hを超えると20mm、250km/h以上ではさらに20mm、自動的にダウンさせ高速時の安定性やステアリング・レスポンスを高める。さらに電子制御スタビライザーとリアの強化ブッシュを採用することでロールを最小限に抑えた。
操舵系には可変レシオのステアリングと後輪操舵を装備し、低速域での取り回しと高速域での直進安定性をともに向上。また、コンフォート・モードでは高速直進スタビリティ、スポーツ・モードではステアリング・レスポンスを、それぞれ重視したセッティングに変化する。
タイヤは285/45R21のランフラットが標準仕様だが、オプションでフロント285/35 ZR23・リア325/30ZR23のハイグリップ版も選べる。この23インチタイヤはピレリと共同開発したもので、1台分で13kg軽量化したという20スポーク鍛造ホイールにセットされる。
エクステリアはアルピナの特徴であるフロント・スポイラーなど冷却性能と空力性能を高めるボディ・キットを装着。室内は3列シートを備え、2列目は2座仕様と3座仕様を設定。荷室容量は750~2120リッターで、積み下ろしの際には、荷室内のスイッチで車高を最大50mm引き下げることができる。
高品質なレザーとウッドをふんだんに使用したインテリアはクリスタルのインフォテインメント用コントローラーや、青と緑のステッチが入るハンドメイド仕上げのステアリング・ホイールなど、アルピナ専用アイテムを多数投入。デジタル・メーターの表示も独自のデザインが施される。
日本への導入は右ハンドル仕様のみで、価格は2498万円。
文=関 耕一郎
(ENGINEWEBオリジナル)
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