2021.06.19

CARS

直6ツインターボは510馬力! ついに上陸した新型BMW M4コンペティションに乗ってみた!!

巨大化したキドニー・グリルを備えた新型4シリーズの最上位モデル、M4がいよいよ上陸した。はたして2代目M4はいかなるクルマなのか。エンジンの編集部員が試乗した。


M440とは別物


上田 1月にM3と同時発表になりましたM4がついにやって来ました。クーペの4シリーズの最上位モデルで、M4としては2014年登場の初代に次ぐ2代目。日本仕様は素のM4と、コンペティション、同トラック・パッケージの3種類。ハンドル位置は初代は左のみでしたが、2代目は左右両方あります。なおセダンのM3には素のモデルがなく2種類のみ。6気筒ターボ+後輪駆動なのは先代同様ですが、ついに一部モデルが500psの大台を突破したことと、4輪駆動モデルが後ほど追加されるのがトピック。8段の2ペダルですが、6段MT仕様も選べます。


新井 巻頭特集では同じ4輪駆動のM440iにも乗ったんですよね。


村上 駆動方式もパワーも異なるとはいえ基本は同じはずなのに、これがぜんぜん違うクルマだった。もっとドシっとしていて、重厚な、これぞGTカーというM440iに対して、M4は軽快で、ものすごく出来のいいスポーツ・クーペ。これまでのM4ってサーキットに特化した印象があったから、これもさぞや……と思っていたから、正直驚いたよ。


新井 初代のM4や先代M3もそうでしたが、コンペティションって名の付いたモデルは「あなたはサーキットに行くんでしょ?」っていうクルマでした。でも2代目は違う。


村上 そこが一番ビックリ。一番穏やかなコンフォート・モードなら普通に街を流していても脚の硬さが気にならない。初代M4はもう乗り出しから硬かったけど、今度のは借り出して数メートル走っただけで、おぉ、気持ちがいい! って思える種類のクルマだった。


上田 ものすごい、イイもの感、とでもいうんでしょうか。


村上 ここ最近の普通のセダン&クーペ・ベースのスポーツ・モデルとしては出色の出来だと思う。期待を遙かに超えていた。いや、超えているっていうとただ上に伸びたってことになるけど、このM4は幅も広がったというか……これは近年のMシリーズの中でも突出した傑作だ。



ペトロールヘッドにはたまらない

新井 エンジンも気持ち良かった。M440iとは全然違ってシャーン! ってきれいに上まで回る。


村上 M440iはちょっとディーゼル的というか、低回転域からトルクで走れるセッティング。対するM4は回せば回すほど気持ちがいい。


上田 最大トルクの発生回転数は素のM4に対してコンペティションの方が上まで回さなくてもいいんですけどね。どんどん回したくなる。


村上 このエンジンをベースにアルピナはB3Sをつくったんだけど、アルピナとも全然違うよ。あっちはM440iに近いトルク重視型。


上田 M4のエンジンはペトロールヘッドにはたまらないですよ。


新井 サーキットで本当に速く走ろうとしたらある程度変速も早めでパワーバンドを外さない方がいいかもしれないけど、公道なら上まで使った方が断然気持ちがいい。



村上 クローズド・エリアで試して下さいってことだったから今回はできなかったけど、介入の度合いを10段階に切り替えられるMトラクション・コントロールでドリフトのし易さを調整できるんだよ。あと、Mドリフト・アナライザーが付いている。


上田 ドリフト・アングルや距離を記録して五つ星で評価するやつ。


村上 「最高ドリフト☆☆☆☆☆」って書いてあるんだよ。


新井 1人D1グランプリ(笑)。


上田 先代はサーキット向けだったけど、公道はもちろん、ドリフトまでカバーする、と。


村上 これだけ普通に乗れて、気持ちのいいクーペなのに。末恐ろしいと思ったよ。




新井 先代はやっぱり公道からスイートスポットが外れていましたよ。それはBMWも分かっていて、CS(クラブスポーツ)っていう軽さや、さらに研ぎ澄まされた方向のクルマを出して模索していた。個人的にはクルマが速くなりすぎたんだと思いますよ。サーキットでもプロドライバーとか、本当に一部の人以外は使い切れなくなった。


村上 それは大いにあるかも。


新井 だからクルマのコントロールをどう楽しむかっていう方向にBMWは動いた。メルセデスAMGのC63もそうですよね。


村上 もちろんサーキットで本気でプロドライバーがアタックしたら2代目の方が格段に速いだろうけど、そこだけに焦点を絞らず、公道でどう気持ちがいいか、ってことにちゃんと注力している。


新井 そうやって自在にコントロールすることに応えてくれるクルマにしないと、もう生きる道がなくなってきているんじゃないかな。



上田 あと、単純に速さと安定性が欲しいならM4でも4輪駆動モデルがありますよ、ってことじゃないですか。だから後輪駆動モデルは操る楽しさに特化したのかもしれない。


村上 でも、そういうことをまったくしない人でも気持ちがいい。


新井 そう、そこがスゴイ。


村上 M440iは重厚な乗り味のせいもあって、サイズを持て余す感じがあるけど、M4は違うよね。


上田 軽快な仕立てのせいもあるし、色々と精度も違うんでしょうけど、むしろクルマが小さく感じます。見た目は派手な膨張色なんで、伸びやかでワイドな印象なのに。


村上 確かにこれ、すごい色だったね。個人的には緑は好きだし、今、世界的にクルマも服も時計も緑色ってブームだけど。



上田 もちろん、普通の色もけっこうあって、内外装色の組み合わせはいろいろ選べますけどね。


村上 すごく落ち着いた色だとか、まったくM4だって悟られないような色で乗ってみたい。


上田 でも、顔つきがこれじゃすぐバレますよ。写真で見るよりずっとグリルは気になりませんでしたが。


村上 いやいやM440iよりぜんぜん派手じゃないよ。無骨でシンプル。だから色さえ考えれば大人の雰囲気で乗れるはず。


新井 それに後席もちゃんと座れるし、荷室は広いし。


村上 あの太いステアリングだけはもうちょっと細くして欲しい。あとカーボン・ブレーキはやや効きが唐突でビジーな感じがした。でも、それ以外はもう、本気で見直しましたよ。いやはやM4が、こんなに全方位的にいいクルマになるとはね。


話す人=村上 政+新井一樹+上田純一郎(すべてENGINE編集部、まとめも) 写真=望月浩彦


(ENGINE2021年6月号)

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