2021.07.18

CARS

「なんて、カッコイイんだろう!」 いま欲しいのは、ちょっと古いクルマ! ジャガーXJ-SとXJSコンバーチブルの現代のクルマにはない魅力とは?

ジャガーXJ-SとXJSコンバーチブルの魅力とは?

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初めての英国車

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ジャガーXJ-Sは忠岡さんにとって、初めてのイギリス車である。

「これまでドイツ車が多かったので、ドイツ車との違いを強く感じます。やっぱり、工業製品としてはドイツ車の方が良く出来ていると思います。ドイツ車って合理性を追求し続けているじゃないですか。スピード、居住性、使い勝手、経済性、安全性など、どれをとってもこれまで僕が乗ったドイツ車の方が上。でも、XJ-Sには道具として優れているという以外の言わば“無駄”みたいなものに魅力があるんです」


忠岡さんを虜にしているのは、まずスタイリングだ。

「真正面から見たときに、フロント・バンパー下がぐっと絞り込まれているんです。そこは本当に好きですね。それから、空力のためと言われているリア・ウィンドウ周りのフィン。淡いブルーの外装色と濃い青のレザー内装の組み合わせも気に入っています。駐車場に停めたあとに、振り返ってもう一度見るというクルマは本当に久しぶりです。実は、買ったときは試しに1年ぐらい乗ってみようと思ったんです。でも、どんどん愛着が湧いて、いまは可能な限り長く持っていたいですね」

4.7mを超える車体を2人だけのために使った贅沢なオープン。


どんどん好きになる理由は、初めての自然吸気12気筒エンジンにもあるようだ。

「あまり上まで回さないで、低い回転域でゆったり走る感じがいいですね。これが12気筒の醍醐味かなと。トルクの出方にまったくガサツなところがない。大排気量のクルマがどんどん少なくなっているじゃないですか。燃費が悪いし、無駄と言えば無駄なんだから、今後乗れなくなるかもしれない。意を決して買って良かったと思っています」


コンバーチブルは2座で、シートの後ろには収納スペースが設けられている。

このドライブ・フィールは私も大好きだ。豊かなトルクに任せ、浅いスロットル開度で悠然と高速道路を走るときのなんとも言えない気持ち良さ。3段しかないATだが、かえってトップでシューッと引っ張っていく加速感も素晴らしい。ステアリング操作やスロットルの開閉に伴うクルマ全体のデリケートかつ上品な反応、そしてたおやかという言葉がぴったりの乗り心地でもって、トロけそうな心持ちになるのだ。

忠岡さんと今度一緒にツーリングに行きましょうということになった。合理性という言葉が似合わないジャガーXJ-SとXJSコンバーチブル2台で走るツーリングは、無駄を楽しむ旅になるだろう。

「無事に目的地に着けますかね?」と笑う忠岡さん。


大丈夫! グランドツーリングとは冒険旅行ですよ、忠岡さん。



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文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正

(ENGINE2021年6月号)

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