2021.06.26

CARS

大人の猛牛! ランボルギーニのカスタマイズ・オプション、パール・カプセルを装着したウルスで、名古屋から金沢までひとっ走り

ランボルギーニがスーパーSUV、ウルスによる日本縦断ツアーを企画した。プレス関係者がリレー方式で約1カ月をかけて、九州から北海道まで行き、折り返して東京まで戻るもので、ENGINE編集部にもその招待状が届いた。

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名古屋から金沢まで350km

ランボルギーニ・ジャパンから、「アンロック・エニイ・ロード(あらゆる道を解き放て)」と銘打たれた日本縦断ツアーへの賛同と参加の依頼が届いたのは今年3月のことだった。少し長くなるが引用しよう。

〈新型コロナウイルス感染症拡大によるニューノーマルな時代。移動を制限される状況下においてオフラインでの人との接点が少なくなり、その関係性が希薄になりつつあります。/そんな今、URUSは九州・福岡を皮切りに広島、神戸、大阪、名古屋、そして日本海側を北上し、札幌から仙台、横浜、最終ゴールの東京へと向かう日本縦断チャレンジをスタートさせます。/サーキットから山道、砂地、氷、砂利に至るまで、どんな道にも臆することなく走行するURUSが、この状況下だからこそ、あらゆる道を解き放ち、自由というものの真髄を日本全国で体現し、日本の美しさ、力強さなどの多くの魅力を様々な形で発信して行くプロジェクトです。(以下略)〉



もちろん即座に賛同し、参加を決めた。で、私が担当することになったのは、名古屋から琵琶湖と白川郷を経て金沢に至る約350kmの道のりだ。途中、どんな山道や砂地を走るのだろうとワクワクしていたのだが、なんとフタを開けてみたら私のパートには、そういうイベントフルな舞台設定はなし。撮影のためのストップ時間を除いては、朝から晩までただひたすら、ゴールデンウィーク中で混雑気味の高速道路を制限速度遵守で走り続けるという、まるでエコラン耐久レースのような状況を強いられることになったのである。

いったい、どこに「解き放つべき道」や「自由というものの真髄」があるんだぁ、と猛牛のように暴れ出したくなった、というのはもちろん冗談で、まったくそんなことはありませんでした。むしろその反対に、どんなに大人しくゆっくり走っていても、それに乗っているだけでスポーティな気分になり、心躍らされるクルマがあるのだと、改めて感心させられたというのが率直な感想である。同じランボルギーニでも、アヴェンタドールやウラカンだったら、混雑した道をただユルユルと走り続けていたらストレスを感じたかも知れない。しかし、スーパーカー・メーカーが新たに世に問うたスーパーSUVたるウルスには、スポーツカーの緊張感とサルーンの快適性が絶妙なバランスで同居している。だから、どんなにゆっくり走っていても、ほどよくスポーティで、ほどよくリラックスした気分でいられるのだ。とても大人な闘牛なのである。



白川郷の古民家とウルス

今回のツアーに使われたのは、ウルスに初めて設定された専用カスタマイズ・オプションである“パール・カプセル”装着車で、内外装ともにイエローとブラックのツートーンになっていた。同じイエローでもソリッドなものではなく、ランボルギーニがこれまでにも特別なモデルに使ってきた高光沢4層パールカラーになっているところがミソなのだが、それにハイグロスブラックのルーフやリアディフューザー、スポイラーリップを組み合わせることで、ただ派手なだけではない引き締まったスポーティな雰囲気を演出している。



内装も同じツートーンの配色で、シートは専用のアルカンターラ仕立てとなる。



もうひとつ、特筆すべきはインテリアで、パール・カプセル専用オプションのフルエレクトリック・シートは通気性のよいパーフォレーション(小さな穴)が穿たれたアルカンターラ仕立てになっている。今回のツアーの出発点になった名古屋のディーラーのセールス担当者氏の話では、このシートの快適性は抜群で、これが欲しいためにパール・カプセルを選ぶカスタマーもいるのだとか。

実際、今回のツアーの中で使ってみて、レザーシートより柔らかく快適だけれど、しっかりとしたグリップで身体を支えてくれるアルカンターラのシートは、なかなかのスグレモノだと思った。スポーティとラグジュアリーの融合というのは、言うは易いが、実現するのは決して簡単なことではない。ランボルギーニはもっと直情径行型のスーパーカー・メーカーだと思っていたけれど、このウルスでは、エアサスを使った足回りのチューニングも絶妙だし、ハンドリングも決してシャープ過ぎず、しかしユルさは微塵も感じさせないものに仕立ててある。クルマが持つ独特の乗り味というのは、見た目のデザインや配色、素材といったソフト面から、パワートレインやシャシーといったハード面まで、すべてが総合して生み出されるのだと改めて実感した次第である。

それにしても、白川郷の古民家を背景にしたウルスの写真をよくご覧いただきたい。このデザインと配色がここまでこの風景にマッチするとは! なんとも新鮮な驚きだった。

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文=村上 政(ENGINE編集部) 写真=ランボルギーニ・ジャパン



■ランボルギーニ・ウルス
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 5112×2016×1638mm
ホイールベース 3003mm
トレッド(前/後) 1689/1693mm
車両重量 2200kg
エンジン形式 直噴V型8気筒DOHCツインターボ
排気量 3996cc
ボア×ストローク 86.0×86.0mm
最高出力 650ps/6000rpm
最大トルク 770Nm/1960-4500rpm
トランスミッション 8段AT
サスペンション(前後) マルチリンク/エアスプリング
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前) 285/40R22、(後) 325/35R22
車両本体価格(税込み) 3068万1071円

(ENGINE2021年7月号)

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